政府肝入りの「Go to トラベル」キャンペーンが7月22日からスタートします。
コロナウィルス感染が全国レベルで広がるなかで実施については賛否両論があり、東京発着の旅行が対象から外れるなど多難なスタートではありますが、需要激減に見舞われている観光産業にとっては強力な後押しとなるはず。
宿泊業界がキャンペーンにかける期待も大きなものがあります。この機会を十分に生かせるかどうかは、顧客への的確な情報発信ができているかにあります。
多くのホテルや旅館はこの間、休業もしくは開店休業状態を余儀なくされていましたが、その間も休むことなく積極的な情報発信に努め「コロナが終息した暁にはぜひ当館へ」というメッセージを伝え続けた宿泊施設がありました。
以前に紹介した箱根の温泉旅館「一の湯」がその好例です。一の湯は最近、自社ホームページに「クレンリネスポリシー」の説明動画を掲載しています。
クリックするとYou Tubeに飛び1分強の動画が流れますが、これが非常によくできています。
スタッフの健康管理からはじまって、館内の設備や備品の消毒・殺菌の方法、フロントはじめ館内対応の際の感染防止策などが細かく紹介されています。そのわかりやすさは動画ならではです。
宿泊客にとって関心が高い客室の清掃方法や食事処での感染防止策は、とくに詳細に紹介しています。客室清掃は最初に換気を実施して清掃を開始。清掃終了後に再度、確認者がテレビのリモコンやエアコンのスイッチといった手が触れる箇所に消毒を実施、という具合。
食事処もバイキングをやめてテーブルオーダー制にし、三密回避のために客席間隔を空けていますが、接遇の様子なども動画で紹介しているのでとてもわかりやすくなっています。
クレンリネスポリシー紹介のアイコンはトップページの中で一番サイズが大きく、一の湯の公式ホームページを開くとまず目に入るようにしています。
このことも「安心してお越しいただきたい」というメッセージを伝えることにつながっていますが、やはり大きいのは一の湯がこの間、休むことなく情報発信を続けてきたことです。
飲食店では、お客さまが商品やサービスに不満があってしばらく行かないでいると、やがて店の存在が忘れられてしまうことがよくあります。ホームページもそれと同じ。常に新しい情報を発信し、見続けるモチベーションを提供して初めて効果があがります。
そして情報の内容は、この間お話ししてきたように「お客さまが本当に知りたいこと」でなければなりません。一の湯の取り組みは、この点においても非常に参考になるものです。
このように透明資産マーケティングでは、自社の透明資産をメディアでしっかり発信することを大切にしています。
ー勝田耕司
この記事へのコメントはありません。