前回お話した「内発的モチベーション」とは、自分が描いた「人生の物語」の通りに物事が進んでいると実感することで生まれるモチベーションのことであり、前進のための最大のエネルギーです。
エネルギーには他に、周りの雰囲気に巻き込まれてやる気が向上する「テンション」や、誉められたり報酬をもらうといった「外発的モチベーション」がありますが、それらは短期的、中期的なものです。一方で内発的モチベーションははるかに長期的であり、持つことによって長期にわたり前進し続けることができます。
内発的モチベーションを持つために不可欠なのは、なりたい自分の姿を明確に描くことです。それこそが人生におけるビジョンであり、そのビジョン実現に近づいている、自分自身が成長していると実感することで、内発的モチベーションがさらに高まります。
ですから大切なことは、仕事や生活における具体的な「目標」と、自分自身の人生の「目的」とをつなげることです。そのためにまず、自らに以下の問いかけをしてみましょう。
①仕事や生活においてどんな目標を持っていますか?
②あなたのHUMANBEINGとどんな結びつきがありますか?
③つながりを意識すると、自分にどんな変化がありますか?
これらを確認することがすなわち、目標設定のスタートなのです。人生の目的と合致する目標を立てること、その目標達成に向けて前進していくことこそ、本当の意味で生きがいややりがいのある人生をおくることにつながるからです。その中でも前出の2つめ、HUMANBEINGとの結びつきに注目してください。
これまで、幸福感を得ることは「Well-Being」であるとお話ししてきました。大事なのは、自分自身がWELLであると気づくことです。なぜなら、人間の脳は「ポジティブな気分の時にもっともよく働く」からです。
これは脳科学やポジティブ心理学における10年以上の研究結果からわかっていることです。悲観的な気分で営業の仕事に向かったり、試験に取り組んでもいい結果は出ません。逆に、幸福感を感じたり、自分はできると確信して物事に取り組めば、自ずとよい結果が出るものです。
このように、幸福感を持つことは「ハピネス・アドバンテージ」と呼ばれ、脳を前向きにする最大のエネルギーです。まさに人生における最大の「透明資産」と言えるでしょう。そして、その資産をつくっていくのは自分自身のリソース、すでに持っている知識や個性や人脈を生かすことなのです。
次回はそのリソースの中身と生かし方についてお話しします。
-勝田耕司
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