挨拶の「間」に、組織の温度とこれ以上伸びるかどうかが刻まれている
カフェでコーヒーを飲みながら、
店に入ってくる人たちを、ぼんやり眺めていました。
「カラン…」
ドアが開く音。
そのあとに続く、
ほんの一瞬の“間”。
「こんにちは」
「どうも」
この短いやり取りの中に、
実は、驚くほど多くの情報が
詰まっています。
今日は、
挨拶の間の話です。
挨拶は「言葉」ではなく「間」で感じている
挨拶は、
言葉そのものよりも、
その前後で判断されています。
・声の出るタイミング
・視線が合うまでの間
・言い終わった後の余韻
このわずか数秒で、
人はこう感じ取る。
「歓迎されているか」
「邪魔していないか」
「ここにいていいか」
これは、
理屈ではありません。
身体が勝手に感じている。
温度のある挨拶と、冷えた挨拶
温度のある挨拶には、
特徴があります。
「……あ、おはようございます」
この
「……」
の部分。
ほんの一拍。
相手を認識し、
呼吸を合わせる時間。
この間があると、
空気が
「ふわっ」と柔らぐ。
一方で、
冷えた挨拶は違う。
「おはようございます」
間がない。
視線が合わない。
音だけが、
「ポン」と落ちる。
言葉は同じでも、
体感は真逆です。
挨拶の“間”は、余裕の有無を映す
挨拶の間が消えるとき、
そこには必ず理由があります。
・忙しすぎる
・心に余白がない
・誰かを警戒している
この状態では、
人は間を取れない。
挨拶が、
「作業」になる。
企業で言えば、
これは危険信号です。
なぜなら、
間がなくなった組織は、
これ以上、伸びにくいから。
挨拶が軽くなると、判断も軽くなる
挨拶が軽い組織では、
意思決定も軽くなります。
・確認不足
・早合点
・すれ違い
すべて、
間を省いた結果です。
逆に、
挨拶に間がある組織は、
判断に深みが出る。
「ちょっと待とう」
「一呼吸置こう」
この感覚が、
自然に共有されている。
これが、
透明資産として
蓄積されている状態です。
社長の挨拶が、組織の限界を決める
ここで、
経営者にとって
最も重要な話をします。
組織の挨拶の質は、
社長の挨拶の間で決まります。
・立ち止まって挨拶しているか
・相手の目を見ているか
・一拍、間を取っているか
社長が、
歩きながら、
スマホを見ながら、
挨拶をしていると、
現場の挨拶も、
同じように崩れる。
言葉ではなく、
間がコピーされる。
挨拶の間がある会社は、立て直しが効く
経営がうまくいっているときは、
多少、間がなくても回ります。
問題は、
うまくいかなくなったとき。
挨拶の間がある会社は、
崩れても立て直せる。
なぜなら、
人と人の呼吸が
まだ繋がっているから。
挨拶の間が消えた会社は、
一気に分断が進む。
言葉は交わしているのに、
空気が通わない。
挨拶は、組織の体温計
私は、
挨拶を
組織の体温計だと思っています。
・温かいか
・冷えているか
・発熱しているか
特に見るべきは、
「朝一番」と「一日の終わり」。
ここで挨拶の間が消えていたら、
組織はかなり疲れている。
カフェで、最後に一口
カフェで、
コーヒーを一口、
ゆっくり口に含みました。
熱すぎず、
ぬるすぎず。
ちょうどいい温度。
経営も、
挨拶も、
この温度感が大事です。
あなたの会社の挨拶には、
間がありますか。
それとも、
音だけが
行き交っていますか。
透明資産は、
派手な施策ではなく、
挨拶の一拍に
静かに宿っています。
そこを整えられる会社は、
まだ、伸びます。
間が消えた瞬間が、
実は、
成長の限界点なのです。
―勝田耕司
<透明資産とは?>
業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。














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