透明資産とは?

【透明資産を見つけよう】名医から学ぶ透明資産経営~命を救う空気感の設計図5つの視点~

名医から学ぶ透明資産経営~命を救う空気感の設計図5つの視点~

こんにちは。企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

 

透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた経営で、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながるのです。

 

経営者にとって、企業という組織は、人々の命を預かる病院にも似ています。社員の人生、顧客の信頼、そして企業の未来という、かけがえのないものを守り、成長させていく責任があるからです。企業の健全な成長を阻む要因は、必ずしも外部環境の変化だけではありません。多くの場合、その原因は組織の内側、つまり社内の空気に潜んでいます。この「空気感」をいかに整え、活力を生み出すかが、企業の持続的な成長を左右します。

今日のコラムでは、名医たちが持つ独特の「空気感」に焦点を当て、彼らがどのようにして患者や医療チームとの間に深い信頼関係を築き、最高のパフォーマンスを発揮しているかを紐解きます。名医たちの在り方やスキル、そしてマネジメントの哲学から、現代の企業経営に活かせる5つの教訓を透明資産経営の視点から考察します。彼らが命を救う現場で実践している「空気感」の設計図は、あなたの会社の未来を切り拓く羅針盤となるはずです。

―1、名医たちが持つ、目に見えない「透明資産」

名医と呼ばれる人々は、卓越した技術や知識だけでなく、その人物からにじみ出る「空気感」によって、患者さんや医療チームから絶大な信頼を勝ち取っています。この「空気感」こそが、彼らが持つ透明資産に他なりません。名医たちの透明資産は、主に以下の3つの要素で構成されています。

・揺るぎない「在り方」▶患者の命を最優先するという使命感や倫理観。
・卓越した「スキル」▶診断や手術の技術だけでなく、患者やチームとのコミュニケーション能力。
・信頼を築く「マネジメント」▶医療チームをまとめ上げ、最高のパフォーマンスを引き出すリーダーシップ。

これらの要素が一つになることで、名医たちの周囲には、この先生に任せれば大丈夫だという安心感と、最高の医療を提供しようというチームの一体感が生まれます。この「空気感」は、医療現場におけるミスの削減や、患者さんの回復力の向上にも繋がる、かけがえのない価値となります。

―2、名医から学ぶ、透明資産経営の5つの教訓

ここからは、名医たちが患者さんやドクターチームとどのように関わっているかを具体的に見ていきながら、その実践から得られる経営のヒントを5つのポイントで整理します。

①患者さんとの対話が築く「安心」の空気感

名医の特徴の一つに、患者さんとの丁寧な対話があります。彼らは単に病状を説明するだけでなく、患者さんの不安や疑問に耳を傾け、言葉だけでなく態度で誠実さを示すことで、患者さんが心から「この先生に任せよう」と思える安心の空気感を創り出しています。これは、企業における顧客対応に通じます。単に商品やサービスの機能だけを説明するのではなく、顧客の悩みや希望に寄り添い、真摯な対話を通じて「この会社に任せれば大丈夫」という信頼の空気感を創り出すことが、企業の透明資産を高めることにつながります。

②ドクターチームを動かす「Why」の共有と「自律」の空気感

名医は、優れたリーダーでもあります。彼らは、医療チームを動かすために、単に「何をやるか」を指示するだけでなく、仕事の背景にある「なぜやるのか」という目的を共有することで、チームメンバー全員が自律的に判断し、最高のパフォーマンスを発揮するための自律の空気感*を生み出しています。これは、企業のチームマネジメントに不可欠な要素です。社員に「なぜこのプロジェクトをやるのか」「会社のビジョンとどう繋がっているのか」を明確に共有することで、社員は単なる指示待ちの受け身な姿勢から脱却し、自律的に思考し行動するようになり、組織に活力を与えイノベーションを促す源泉となります。

③失敗を「学び」に変える「挑戦」の空気感

医療現場は、常にリスクと隣り合わせです。名医は、失敗を恐れるのではなく、それを「学び」と捉える「挑戦」の空気感をチームに醸成します。手術や治療で予期せぬ事態が起きた時、名医は決してチームメンバーを非難せず、事後検証の場を設け、何が原因で、どうすれば次回に活かせるかを全員で議論する姿勢を育むことで、チームメンバーがミスを隠蔽することなく報告し、全員で問題を解決する姿勢を育んでいます。これは、企業における心理的安全性の重要性を示しています。社員が失敗を恐れずに挑戦し、たとえ失敗しても、その経験を組織全体の「学び」として捉える「空気感」を創り出すことが、イノベーションを生み出す上で不可欠であり、失敗を個人の責任として追及するのではなく、チームで課題を解決する姿勢が組織の成長を加速させます。

④謙虚さと敬意が創り出す「協調」の空気感

名医は、自身の卓越した技術に奢ることなく、チームメンバー一人ひとりに敬意を払います。彼らは、医療は一人では完結しないことを深く理解しているため、手術が成功した際に自分一人の手柄にせず、チームメンバー全員の貢献を称え、若手医師や看護師の意見にも真摯に耳を傾け、チーム内でのフラットなコミュニケーションを促しています。これは、企業におけるリーダーシップの在り方を示しています。社長やリーダーが、自分一人の力だけでなく、社員全員の貢献を認め、感謝の気持ちを伝えることで、組織全体に協調の空気感が生まれ、社員は自分の仕事が組織に貢献していると感じ、モチベーションが向上します。

⑤自身の「在り方」が示す「責任」の空気感

名医の最も重要な特徴は、その揺るぎない在り方です。彼らは、患者の命を預かる者としての倫理観や使命感を日々の行動で示すことで、チームメンバーに私たちも最高の医療人として振る舞わなければならないという自覚を促しています。これは、企業における社長やリーダーの「在り方」が、組織全体に与える影響の大きさを物語っています。社長が、企業の理念やビジョンに対する強い想いを日々の行動で示すことで、社員は会社への信頼感を深め、仕事への責任感を強く持つようになり、この社長の「在り方」という透明資産が組織全体の責任の空気感を醸成し、企業の持続的な成長を支えます。

―3、命を救う「空気感」を、未来を創る「空気感」へ

名医たちが創り出す「空気感」は、患者さんの命を救い、チームのパフォーマンスを最大化させる、かけがえのない透明資産です。彼らが実践している「安心」「自律」「挑戦」「協調」「責任」という5つの空気感は、企業経営にもそのまま応用できます。企業における経営者は、いわば「組織という命」を預かるドクターです。社員が安心して挑戦できる「空気感」、自律的に考え行動できる「空気感」、そして全員が互いを尊重し、責任を持って仕事に取り組める「空気感」を意図的に設計し、運用することで、あなたの会社は単なる経済活動の場ではなく、そこで働く人々が喜びと成長を感じられる、生きた組織へと変わります。

名医から学ぶ透明資産経営は、目先の利益だけでなく、この見えない「空気感」という資産をどれだけ大切に育めるかが、未来の企業価値を決定づける時代において、最も確実な羅針盤となるでしょう。

 

―勝田耕司

 

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