透明資産とは?

【透明資産を見つけよう】透明資産経営の引力~『情報局』による情報環流が織りなす採用の「空気感」と未来の人財確保3つのポイント~

透明資産経営の引力~『情報局』による情報環流が織りなす採用の「空気感」と未来の人財確保3つのポイント~

 

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

 

透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた経営で、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながるのです。

現代の企業経営において、財務諸表に現れない無形の資産、すなわち組織全体に満ちる「空気感」は、その企業の真の競争力を左右する重要な要素です。この「空気感」を意図的に設計し、戦略的に運用する仕組みこそが、「透明資産経営」です。企業の持続的な成長には、優秀な人財の確保が不可欠ですが、その採用プロセスにおいても、透明資産が醸成する「空気感」は極めて大きな影響力を持ちます。透明資産を構成する核となる要素の一つが、社内外の情報を戦略的に収集・編集・発信する『情報局』の機能です。

情報局が担う役割は、単に採用情報を告知することに留まりません。それは、企業の魅力的な「空気感」を社内外に環流させ、新卒の学生、転職希望者、さらには今は転職を考えていない潜在的な候補者に対して、深い共感と愛着を抱かせ、最終的に「この会社で働きたい」という応募へのきっかけを創出することです。今日は、透明資産経営における情報局が、どのようにして採用における「空気感」をデザインし、未来の人財確保に貢献するのかを、具体的な事例や目的効果、そして透明資産経営ならではの独自性を踏まえながらお伝えします。

―1、採用における「空気感」の重要性/情報環流が創出する企業の魅力

かつて採用活動は、企業が求めるスキルや経験を持つ人財を募集し、選考するという、比較的機能的なプロセスとして捉えられていました。しかし、労働人口の減少、働き方の多様化、そしてSNSの普及による情報過多の時代において、求職者は単に給与や福利厚生だけで企業を選ぶことはありません。彼らは、その企業がどのような「空気感」を持っているのか、社員がどのような想いで働いているのか、そして自分がその組織でどのように貢献し、成長できるのか、といった「感情的価値」を重視するようになっています。この「空気感」こそが、透明資産経営が採用において提供する独自の価値です。

透明資産経営における『情報局』は、この採用における「空気感」をデザインし、社内外に環流させる上で中心的な役割を担います。その活動は、大きく分けて二つの側面から人財にアプローチします。一つは、企業の「内側の魅力」を深く掘り起こし、言語化・可視化して社外に発信すること。もう一つは、社外の求職者が企業に抱くイメージや期待を汲み取り、それを社内情報と融合させることで、より魅力的な採用コンテンツを再生産することです。

情報局は、社内においては、社員の働く喜び、チームの結束、困難を乗り越えるプロセス、そして企業の理念やビジョンが日々の業務にどう息づいているかといった「生の空気感」を丹念に収集します。例えば、社員インタビュー、部署ごとのプロジェクト紹介、社内イベントの様子などを通じて、社員が「この会社で働くことの価値」を再認識できるようなコンテンツを制作します。この社内への情報環流は、既存社員のエンゲージメントを高めるだけでなく、彼らが企業の「魅力的な語り手」となるための下地を作ります。社員自身が自分の会社に誇りを持ち、生き生きと働く姿は、採用活動において何よりも雄弁な「空気感」の発信源となるからです。

そして、情報局は、これらの「内側の空気感」を、新卒リクルート中の学生、転職を希望するプロフェッショナル、さらには今は転職を考えていなかった潜在的な候補者層に対して、戦略的に発信します。単に求人情報を羅列するのではなく、社員のリアルな声、企業の文化、社会貢献への取り組みなど、求職者が「自分もこんな職場で働きたい」と心から思えるような物語を紡ぎます。この「物語」を通じて、求職者は企業の「空気感」を疑似体験し、深い共感と愛着を抱くようになります。採用活動における情報局の究極の目的は、こうした情報環流を通じて、企業が意図する「空気感」を人財市場に浸透させ、優秀な人財が自ら門戸を叩くような「引力」を創出することにあります。

―2、新卒・転職層に響く「空気感」のネタ探し/企業文化と人間性の深掘り

 

透明資産経営における採用関連の「ネタ探し」は、一般的な採用広報が重視する「職務内容」や「待遇」といった表面的な情報に留まりません。それは、新卒の学生や転職希望者が真に求めている「企業の文化」「働く環境」「社員の人間性」といった、目に見えない「空気感」の源泉を深く掘り起こす作業です。このアプローチにより、企業は他社との差別化を図り、より強い引力を持つことができます。

ネタ探しの第一のポイントは、「社員の日常に宿る喜びと挑戦」を深掘りすることです。新卒の学生は、入社後の「リアルな働き方」に強い関心を持っています。情報局は、特定の業務で得られる達成感だけでなく、チームメンバーとの協力、困難な課題を乗り越えた時の感動、あるいは仕事とプライベートのバランスをどのように取っているかといった、社員の「人間的な側面」に焦点を当てます。

 

例えば、新入社員が初めて大きなプレゼンを終えた後の安堵の表情、ベテラン社員が若手からの質問に真剣に耳を傾ける姿、部署の垣根を越えたプロジェクトチームのブレインストーミングの様子など、日々の業務の中で生まれる「生きた感情」を捉えます。これらのエピソードは、求職者にとって「入社後の自分」を具体的に想像する手助けとなり、「こんな風に働きたい」というポジティブな「空気感」を醸成します。

第二のポイントは、「企業の失敗とそこからの学び」を誠実に語ることです。多くの企業が成功事例ばかりをアピールしがちですが、人間は完璧なものよりも、むしろ困難に直面し、そこから学び、成長していく姿に共感を覚えます。心理学の分野では、脆弱性を開示することで信頼関係が深まることが示されています。

 

情報局は、過去のプロジェクトにおける失敗、市場の変化への対応の遅れ、あるいは顧客からの厳しいフィードバックにどう向き合い、改善してきたかといったプロセスを、具体的なエピソードと共に誠実に伝えます。この際、単なる反省に終わらず、「その失敗から私たちは何を学び、どのように未来に活かしているか」というポジティブな側面を強調します。これは、求職者に対して企業の「誠実さ」「学び続ける文化」「困難を乗り越える粘り強さ」といった人間的な魅力を伝え、「この会社なら、失敗してもサポートしてもらえる」「共に成長できる」という安心感のある「空気感」を提供します。

第三のポイントは、「多様なキャリアパスと社員の成長物語」を具体的に示すことです。転職希望者は、現在の職場での不満や、さらなるキャリアアップ、スキル習得を求めています。情報局は、特定の職種や役職に限定せず、社内でどのようなキャリアの選択肢があり、社員がどのように成長してきたのかを多角的に掘り起こします。

 

例えば、異動を経て新たな分野で活躍する社員の事例、社内研修や資格取得支援制度を活用してスキルアップした社員の物語、あるいは一度は退職しながらも、再度入社して活躍している「出戻り社員」のインタビューなども有効です。これらのストーリーは、求職者に対して「この会社には多様な成長機会がある」「自分のキャリアを真剣に考えてくれる」というポジティブな「空気感」を伝達し、「自分もこの会社でなら、理想のキャリアを実現できるかもしれない」という期待感を抱かせます。

これらのネタ探しのアプローチは、単なる「企業PR」に留まらず、企業の「人間性」と「文化」を深く掘り下げ、それを求職者の心に響く「空気感」として提供するものです。これにより、企業は表面的な情報だけでなく、より本質的な魅力で人財を引きつける「引力」を構築できるのです。

―3、愛着を育む「空気感」のネタつくり/応募へと導く情報環流の妙技

 

発掘された「空気感」のネタを、新卒や転職希望者の心に深く「擦り込み」、最終的に「応募」という行動へと導くためには、緻密な「ネタつくり」の妙技が必要です。それは、単なる情報提供ではなく、求職者が「この会社の一員になりたい」と強く願うような「愛着」を育むプロセスです。

ネタつくりの第一は、「未来への希望と社員のビジョン」を織り交ぜたストーリーテリングです。求職者は、入社後の具体的な仕事内容だけでなく、その企業がどのような未来を目指し、そこで働く自分がどのように貢献できるのかを知りたいと願っています。情報局は、企業の長期ビジョンを、具体的なプロジェクトや社員の挑戦と結びつけ、「未来を共創する物語」として語ります。

 

例えば、新技術の開発がどのように社会を変えるのか、顧客の課題解決がどのように人々の生活を豊かにするのか、といった具体的なインパクトを、社員の言葉や映像で表現します。これは、単なる企業説明会では伝えきれない、社員一人ひとりが描く「未来への希望」を具現化し、求職者に対し「この会社の未来は面白そうだ」「自分もその未来の一部になりたい」という強い動機付けを生み出します。

第二に、「企業のリアルな空気感」を多角的な視点から体験させるコンテンツ設計です。情報局は、オフィスツアーの動画、社員の一日を追ったドキュメンタリー、部署間のコミュニケーションを垣間見せるショートムービー、あるいは社員食堂でのランチ風景など、日々の「リアルな空気感」を伝達するコンテンツを制作します。この際、完璧な姿だけを見せるのではなく、社員の飾らない笑顔、和やかな会話、時には真剣な議論といった、ありのままの姿を映し出すことが重要です。

 

これは、求職者が「入社後のギャップ」を恐れることなく、企業の雰囲気を事前に把握し、安心感を持って応募へと進むための重要な要素となります。心理学の分野では、人は不確実性を嫌う傾向があることが示されており、リアルな情報提供は、この不安を解消し、求職者の「応募へのハードル」を下げる効果があります。また、社員がそれぞれの立場で企業を語るコンテンツ(例:若手社員座談会、マネージャー対談など)は、多様な視点から企業の「空気感」を伝え、より幅広い層の求職者に響くでしょう。

第三に、「インタラクティブな関係構築」によるエンゲージメントの深化です。情報発信は一方通行であってはなりません。情報局は、求職者が企業に対して質問をしたり、意見を述べたりできるような双方向のコミュニケーションチャネルを積極的に設けます。

 

例えば、オンラインでの質疑応答セッション、社員との交流イベント、あるいはWebサイト上でのチャットボットによる個別相談対応など、求職者が「企業から一方的に選ばれる」のではなく、「対話を通じて自分も企業を知る」という体験を提供します。このようなインタラクティブな関係性は、求職者が企業に対して「真摯に向き合ってくれる」「自分を大切にしてくれる」というポジティブな「空気感」を抱き、企業への愛着を一層深めます。特に転職を考えていなかった層に対しては、こうした気軽な対話の機会が、企業への興味のきっかけとなり、応募へと繋がる可能性を秘めています。

第四に、「共通の価値観の明確な提示」と「パーパスへの共感」の喚起です。現代の求職者は、単なる仕事内容だけでなく、企業がどのような目的(パーパス)を持ち、社会にどのような価値を提供しようとしているのかに強い関心を持っています。情報局は、企業の経営理念やビジョン、社会貢献への取り組みを、具体的な活動事例や社員の想いを通して明確に発信します。

 

例えば、自社技術が環境問題の解決にどう貢献しているか、地域社会との連携を通じてどのような価値を生み出しているか、といった具体的なエピソードを語ります。これにより、求職者は自身の価値観と企業のパーパスが合致すると感じた時、「この会社でなら自分の力を社会のために活かせる」「この会社の一員として誇りを持って働ける」という深い共感と愛着を抱き、それが応募への強力な動機付けとなります。

―まとめ/情報環流が創り出す、採用における「透明資産」という競争優位性

企業の業績に影響を与える「空気感」を意図的に設計し運用する「透明資産経営」において、その核となる『情報局』による情報環流は、採用活動に革命をもたらします。それは、単なる求人情報の拡散ではなく、企業の真の「空気感」を新卒、転職希望者、そして潜在的な候補者の心に深く「擦り込み」、共感と愛着を育み、最終的に応募へと導く、強力な「引力」を創造するプロセスです。

情報局は、「社員の日常に宿る喜びと挑戦」「企業の失敗と学び」「多様なキャリアパスと成長物語」といった「ネタ」を深く掘り起こし、それを「未来への希望と社員のビジョン」「リアルな空気感の多角的体験」「インタラクティブな関係構築」「共通の価値観とパーパスへの共感」といった手法で「つくり」、戦略的に環流させます。

これにより、求職者は企業に対して「この会社は自分を大切にしてくれる」「ここでなら成長できる」「自分の価値観と合致する」といったポジティブな「空気感」を肌で感じ取ります。この感情的な結びつきこそが、求職者が数ある選択肢の中から、あなたの会社を選び、応募に至る決定的な要因となるのです。

透明資産経営が実現する採用活動は、単に「応募者を増やす」ことに留まりません。それは、企業文化と深く共鳴し、組織の「空気感」をさらに豊かにする、真に優秀で、企業への高いエンゲージメントを持つ人財を惹きつけることを可能にします。

 

情報局が織りなす情報環流は、企業の「透明資産」を最大限に活用し、人財獲得競争において揺るぎない競争優位性を確立するための、最も本質的で効果的な戦略なのです。未来の人財を確保し、企業の持続的な成長を実現するためには、この「空気感」のデザインと運用こそが、今、最も求められている経営の要諦と言えるでしょう。

 

―勝田耕司

 

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