〜デリバリーとテイクアウトでも問われるお客さまへの思い。それこそが透明資産〜
このところ街中で「UberEats」のロゴ付きボックスを積んだ自転車を見かけることが多くなりました。
UberEatsは皆さんご存知のフードデリバリーサービス。
コロナウイルス禍で宅配需要が急増するなか、加盟する飲食店や利用者の数を急速に増やしています。
今年3~4月のUberEatsの利用者数は前年同期間比で2倍以上の増加。
運営会社のUber Japan㈱によれば、現在UberEatsを活用する飲食店の数は32万店を超えているといいます。
また、日本発祥の宅配ポータルサイト「出前館」も加盟店が急増しており、注文数も4月以降は前年比で5割以上伸びているとのことです。
大手の宅配チェーンなどと違って、自前の配達機能を持たない飲食店にとってこれらはありがたいサービスです。
緊急事態宣言の解除後も自粛要請は続き、なかなかお店に足を運んでもらえないなかで、商品を味わっていただく機会を少しでも増やすためにも積極的に活用したいところです。
ただ、ここで注意しておきたいことがあります。
商品を届けるのはあくまで外部の配達員であり、お客様と接する場にお店側は立ち会えないということです。
商品が本来あるべき品質や状態で届けられているのか、正確にはわかりません。配達員が道を間違えて配達に時間がかかり、料理が冷めてしまうことも考えられます。
配達を外部に任せている以上しかたない面もありますが、それでも店側ができることはあります。
たとえば、食べる前にどのように再加熱するとよいかの説明書きを付けておく。
トッピングを別添えにしている場合は、どのように載せるかを写真やイラストで示してもいいでしょう。
お店で食べていただくクオリティにできるだけ近いものを提供することにつながりますし、何より「おいしく食べていただきたい」という店側の思いがお客さまに伝わります。
テイクアウトについても同じことが言えるでしょう。
持ち帰り需要も急増していますが、これから暑い時期に向かうなか衛生面での危険性が指摘されています。
熱い料理と冷たい料理が直に接するように盛りつけないなど、安全対策の基本を守るのは当然。
そのうえで、よりおいしく食べていただくために保管期限や再加熱の方法をていねいに説明することが大切です。
お客さまを思う気持ちこそ、飲食店にとってもっとも大切なサービスであり、最大の透明資産です。
その透明資産をしっかりと守り、育てているお店であるかどうか。
それがコロナウイルス禍を乗り切るためにはもちろん、飲食店が生き残っていくためにも最大のポイントであると思います。
ー勝田耕司
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