透明資産とは?

【透明資産を見つけよう】企業の空気をおカネに変える新常識|なぜ今、見えない資産が最大の戦略になるのか

企業の「空気」をおカネに変える新常識|なぜ今、見えない資産が最大の戦略になるのか

「やあ、勝田さん、久しぶり。ちょっと聞いてくれよ。うちの会社、去年は過去最高益だったんだ。なのに、どうもモヤモヤするんだよ。このままのやり方で、本当に5年後、10年後も大丈夫なのかってね。なんか、言葉にならない不安の影が心のどこかにずっとあって…」

「おお、山下社長(仮称)、お久しぶりです。お元気そうで何より。最高益、素晴らしいですね!そのモヤモヤ、よく分かりますよ。実は、その言葉にならない不安こそが、今の時代に経営者が向き合うべき最も重要なテーマなんです 。」

大阪の静かなホテルラウンジ。コーヒーを前に、老舗メーカーの山下社長と私は向かい合っていました。山下社長の悩みは、今の2025年のビジネス界で、多くの先見性のある経営者が感じている共通の警鐘です 。

「警鐘、ですか?」

「ええ。山下社長の違和感の正体は、数字やロジックでは捉えきれない、会社に流れる『空気感』という名の経営資産が、仕組み化されていないことにある可能性が高いんです 。」

―1.2025年、経営を支配する見えない力の正体

私たちは、目に見えるもの、つまり売上や利益、KPIといった見える数値ばかりに目を向けがちです 。しかし、本当に企業の成果に決定的な影響を与えているのは、社員の表情や口調、職場に流れる雰囲気、お客様が感じる印象など、目には見えない空気感なのです 。

この空気感を意図的につくる仕組みを、私は『透明資産』と呼んでいます 。信頼、共感、社風、熱量、関係性…数値化できず、財務資料にも載らないけれど、会社の根底でエンジンのように確実に動き続けている、持続的な成長に不可欠な資産です 。

「空気感…たしかに、うちの工場に入った瞬間の、社員たちのどこか重い雰囲気は気になっていました 。理念は掲げているんですが、現場に全然伝わってない気がして 。」

「まさにそれが『透明資産』の欠如が起こしているサインかもしれません 。」

世界的な調査機関ギャラップ社が毎年発表するState of the Global Workplace 2023 Reportによると、従業員エンゲージメントの高い企業は、低い企業に比べて生産性が約20%向上し、離職率が約59%低下するという驚くべきデータがあります 。

これは何を意味するか? 経営者がいくら優れた戦略や最先端の技術を導入しても、それを実行する社員の心の熱量や、組織に流れる空気が低ければ、成果は限定的ということです 。逆に言えば、空気が整えば、戦略も自然に動き出し、驚くほど早く成果が出ます 。

―2.なぜ、空気をデザインしないと会社は沈むのか?

「山下社長、ベイン・アンド・カンパニーの調査をご存知ですか?」

「ええ、顧客ロイヤルティの専門家ですよね。」

「その通りです。彼らの調査では、お客様維持率をたった5%向上させるだけで、利益が25%〜95%増加する可能性があるとしています 。」

2025年、お客様は商品やサービスのスペックだけでは選ばなくなっています 。競合他社がどんなに優れた商品を開発しても、それはすぐに模倣され、コモディティ化します 。

「うちも価格競争に巻き込まれて、体力を消耗していました 。」

「そうですよね。だからこそ、お客様はこの会社を応援したい!この会社から買いたい!という感情や、この会社と関わると元気になる!といった情緒的な体験、つまり空気感で選ぶようになっているのです 。これは、機能や価格競争の激化から企業を解放し、持続的な成長をもたらす、極めて質の高い売上アップの仕組みです 。」

私が提唱する『透明資産』の仕組みは、この心地よい空気を意図的につくり出し、お客様の感情に響く独自の価値として体系化して運用します 。この空気感は、その会社の歴史、社長の生き様や哲学、社員の個性、商品サービスの価値、社内外の情報の取り扱い、独自の社員教育といった唯一無二の要素によって形成されているため、競合他社には簡単に模倣できない、最強の競争優位性となるのです 。

―3.社長が空気のエンジンになる覚悟

「山下社長は、創業時からのストーリー、理念、ビジョン、そして何よりもあなたの社長の想いこそが、企業の『透明資産』の最も重要な源泉であることをご存知ですか?」

「私の想い…ですか…?」

「はい。組織の空気を変えるエンジンは、山下社長、あなた自身です 。」

透明資産を活かした経営の第一歩は、まず、社長ご自身がどんな会社にしたいのか?どんな価値を社会に提供したいのか?といった深層にある哲学を明確にし、それが会社の理念や行動規範、そして日々の業務における空気感としてどう具現化されるべきかを、徹底的に考え抜きます 。このプロセスで、社長の想いと会社の軸を深く一致させることが最も重要なんです 。

心理学で言うところの内省の深さが、経営の土台をつくるのです。社長自身が軸を持ち、その軸が会社の空気をリードすることで、組織は一貫性を持って変革を遂げます。

「私がやるべきことが、曖昧だった空気感の改善ではなく、空気感を経営に活かすための具体的な行動指針として明確になる 、ということですね。」

「その通りです。そして、社員は社長の意図を理解し、同じ方向を向いて主体的に行動するようになり、結果として、経営にポジティブな影響を与える理想の空気感を社長自らが創り出していくことができるのです。」

―4.脳科学と心理学が裏付ける空気の力

近年、脳科学や心理学の研究でも空気が人の行動に与える影響が科学的に裏付けられています。

例えば、ミラーニューロンの働き。これは、他者の行動や表情を見たときに、あたかも自分がその行動をしているかのように脳内で反応する神経細胞です。社長の表情や態度、リーダーの姿勢が、社員一人ひとりの脳に無意識にコピーされ、組織全体の空気として伝播していくのです 。社員の顔が見える形で社外に発信することは、求職者にもココでなら自分らしく働けそうだ、、という強い共感を生み出す効果があります 。

また、組織心理学の分野では心理的安全性(Psychological Safety)の概念が重要視されています。これは、チームのメンバーが、自分の考えや意見、疑問、懸念、失敗などを率直に表明しても、不利益を被らないと信じられる状態です。

この心理的安全性は、まさにポジティブな空気感によって生まれます 。社員が認められている感覚 、連帯感 を感じられる職場では、アイデアの提案が増え、一人一人が挑戦する風土が醸成され、ミスが隠蔽されず、結果として組織の学習能力と生産性が飛躍的に向上します。まさに行動することが正・停滞することは誤の空気感が流れるのです。この働きがいのある社内空気感こそが、給与や待遇面だけではない、会社独自の魅力となるのです 。

―5.著名企業も注目する空気の継承

2025年、事業承継やM&Aはますます増加しています。その際、数字や設備といった見える資産の引き継ぎ以上に、長年培ってきた会社の空気感や文独自の文化が失われることが最も懸念されます 。

「勝田さん、実はM&Aの相談があったときに、たしかに相手から御社の文化が残るか不安だと言われました。」

「山下社長、その不安を解消するのが、『透明資産』の仕組みなんです。」

私たちは、組織の空気感を形成する核となる要素を特定し、それを仕組みとして定義し、可視化します。これは、単なるマニュアル化ではなく、日々の朝礼や会議の進め方、社員間のコミュニケーションの取り方、お客様への向き合い方など、言語化されていなかったけれど、会社を会社たらしめている暗黙の文化や共有された価値観を明確にするプロセスです。

この『透明資産』の源泉を組織のDNAとして具体的に抽出・体系化することで 、新しい経営者やM&A先の企業は、事業成功の鍵となる目に見えない要素を深く理解し、スムーズに事業を継続・発展させることができます。

社員もまた、経営者が変わっても会社の根っこは変わらないという安心感を得られ、モチベーションを維持しやすくなります。

結果として、『透明資産』は、社長の個人的なリーダーシップに依存していた空気感を組織全体で共有・実践できる仕組みへと昇華させ、経営の土台となる最も重要な資産を、揺るぎなく次世代へと引き継ぐことを可能にするのです。

―6.空気を変えた会社は、なぜ成長を続けるのか?

『透明資産』を軸に経営を行う企業の多くは、持続的な成果を上げています 。

例えば、ある導入企業では、広告費をかけずに前年比180%超の集客を実現し、別の企業では、離職率が4分の1に改善しました。また、ある地方企業は10年で売上20億から200億円へ、年率25.9%の成長を達成しています。

これらの企業に共通していたのは、戦略や制度を変えただけではなく、経営者自身が空気感の価値に気づき、それを本気で整えようとした在り方の覚悟です。

「山下社長、最高益を出している今だからこそ、未来への不安に向き合い、空気感という見えない経営資産を、戦略的に活用するための仕組みづくりを始めませんか?」

このままではいけない、、、という心の声は、現状維持では乗り越えられない、未来からの警鐘かもしれません、、、

「山下社長、続きは次回に、、、」

 

―勝田耕司

 

<透明資産とは?>
業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。

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