激変する飲食店とWeb媒体の関係。
SNSでの「透明資産」の発信が不可欠に
緊急事態宣言の継続が首都圏と北海道を残すのみとなり、コロナウイルス禍は少しずつ終息に向かいつつあります。
関西圏など緊急事態宣言が解除された地域では飲食店に対する営業時間などの規制もなくなり、形のうえでは以前の姿を取り戻しつつあります。
しかし飲食店の実態は、回復とはとても言えない状況です。というより、以前の姿に戻ることはもうありえないでしょう。
コロナウイルス禍を契機として市場の様相は激変し、さまざまな分野に影響が及びつつあります。
これまで飲食店にとって重要な販促手段であったWeb媒体もそのひとつです。
「食べログ」や「ぐるなび」に代表されるグルメサイトは、これまで多くの消費者にとって飲食店を選ぶ際にもっとも頼りになるツールでした。
しかし外出自粛を余儀なくされているいまは、グルメサイトを利用するニーズがほぼなくなっています。
ある調査によれば、4月のグルメサイトの検索ボリュームは前年同月比で20~30%にまで落ち込んでいるそうです。
とくに落ち込みが大きいのが居酒屋やバルといったディナー帯主力の業態。
エリア別にみると、都心繁華街の状況はさらに深刻です。
駅前交差点の閑散とした光景が毎日のようにテレビで報じられてきた東京・渋谷などは前年同月比で10%台にまで落ち込んでいるといいます。
外出自粛にともなう巣籠もり消費の増加によって、テイクアウトやデリバリー系のワードの検索は大幅に増えていますが、全体のボリュームを押し上げるまでには至っていません。
今回のコロナウイルス禍が、飲食店とWeb媒体との関係を見直す契機になることは間違いないでしょう。
しかし一方で、存在感が増しているWeb媒体もあります。拙著『新発想 ゼロコスト集客術』でますます重要性が増してくると指摘したSNSがそれです。
先の調査でも、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムといったソーシャルメディアの4月の検索ボリュームは前年比120~180%という大幅な伸びを示しています。
SNSにはハッシュタグ検索で自分が求める情報をスピーディに集められるという利点がありますが、それだけではないでしょう。
コロナウイルス禍で誰もが不安な状況に置かれているなかで、より直接的なつながりを感じられるメディアであることが、SNSの存在感が増している大きな要因だと思います。
この流れは今後も変わることはないでしょう。
すべての飲食店は直ちにSNSによる発信力強化に着手すべきです。
そこで発信するのは「お店の透明資産」。
その店ならではの魅力を見つけ、それを磨きながらSNSで伝えていけるかどうかが、コロナ終息後に大きな差になって表れてくるはずです。
ー勝田耕司
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