透明資産とは?

飲食店を救う「思いやり」の気持ちと行動は ビジネスにかかわる人が共有する透明資産

〜飲食店を救う「思いやり」の気持ちと行動は
ビジネスにかかわる人が共有する透明資産〜

Hands holding a hearts vector illustration. Many hands hold hearts to give and share love to people concept. Charity, philanthropy, compassion and care symbol. Human helping, volunteer poster

以前、外食ビジネスにとって
サスティナビリティ(Sustainability=持続可能性)実現の鍵は
「共存共栄」にあると述べました。

外食はさまざまな人がかかわる
裾野の広いビジネスであり、

多くの人がともに喜びを分かち合えてこそ
持続的な成長が可能になります。

そのことが、
今回のコロナウイルス禍で
一層明確になってきているように感じます。

いつかは必ず訪れる終息後に、
ビジネスにかかわるすべての人が
再び前を向いて進んでいくためにも、

店や企業は現在の苦境を乗り越えて
存続していかなければなりません。

そこで大切なのは、
お互いを助け合うという思想であり、
そのための行動です。

つまりは「思いやり」。

かつてなく
深刻な経済危機が訪れ、

先の見えない不安に
人々が苛まれているなかで、

そうした気持ちが広がっているのは
心強いことです。

それを明確に示すのが、
飲食店支援のためのクラウドファンディング
が次々に立ち上がっていることでしょう。

たとえば、

クラウドファンディングの企画・紹介WEBサイト
「CAMPFIRE」では

現在、
「新型コロナウィルスサポートプログラム」という
特設ページを設けて、

危機に陥った店やイベントへの
支援を呼び掛けています。

実に多くのクラウドファンディングが
立ち上がっていますが、

とくに目を引くのが
飲食店支援プロジェクトの多さです。

「飲食したつもりで柏の飲食店を応援しよう」
というプロジェクトは、

千葉県柏市にある飲食店の女性店主が
SNS上で呼び掛けたことでスタートし、
現在200店を超える飲食店が参加。

集まった金額は
約1500万円に達しています。

他にも、

東京・品川にある屋形船の運営会社がはじめた
クラウドファンディングにも
目標額を大きく超える支援金が集まりました。

この屋形船の運営会社では、
売上げがほぼゼロになるだけでなく、
多大な風評被害を受けたといいます。

PCR検査で陰性と判定された後も
女将が会合への出席を断られたり、
脅迫まがいの電話がかかってきたり。

そうした人間の醜い部分も
今回のコロナウィルス禍で見えてきていますが、

同時に思いやりの輪が広がっていることも
忘れてはならないでしょう。

それは、
ビジネスにかかわる人々が共有する
「透明資産」ともいえます。

先日、
こんなニュースもありました。

ある洋食店が
オムライスのテイクアウト注文を受けて
用意していたところ、

指定の時間になっても
誰も取りに来ません。

ドタキャンなのか
悪質な嫌がらせかはわかりませんが、
被害額は1万円以上。

売上げ減に苦しむ
お店にとっては大打撃で、

そのことをSNS上で訴えたところ、
事情を知ったお客さまが次々に訪れて
商品は数分で完売したそうです。

そうしたお客さまの思いやりの気持ちと
迅速な行動が、

お店が前に進むための力となったことは
間違いありません。

そしてこのお店は、
またひとつ大きな透明資産を
手にしたといえるでしょう。

ー勝田耕司

関連記事

  1. 透明資産とは?

    人生の「目的」と「目標」を一致させる。 その幸福感こそが「透明資産」をつくる

    Well-Beingすなわち幸福であるために何が必要か。この問いかけを…

  2. 透明資産とは?

    これまでと同じ価格で、より楽しんでいただく。その気持ちこそがサイゼリヤの好調を支える

    昨年に引き続き、2023年も年明け早々からさまざまな商品の値上げのニュ…

  3. 透明資産とは?

    7年前から取り組んだ顧客との信頼関係構築が 「餃子の王将」にとって最大の透明資産になった

    ブランドというと何か高級品のようなイメージを持つ人が多いのですが、本当…

  4. サスティナブル

    危機の長期化で生まれてきた連帯の精神は フードロスの解決にも大きな力になるはず

    〜危機の長期化で生まれてきた連帯の精神はフードロスの解決にも大きな…

  5. SDGs

    モスバーガーの透明資産は社会貢献への意識。それを象徴する新しいフラッグシップ店舗

    外食業界はこれまで多くの雇用を生み出してきましたが、コロナウィルス禍で…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. SDGs

    求められるのは“正しい方法”で実現する価値。その点で注目したい「くら寿司」の取り…
  2. ゼロコスト戦略

    大垣書店京都本店で透明資産を使ったゼロコスト戦略ミニセミナー開催しました。
  3. 透明資産とは?

    価格アップを着実に進めるマクドナルド。その鍵は高い体験価値がつくる透明資産
  4. ゲコノミ

    ノンアルをただ「揃える」のではなく、「人々を幸せにする」という考えが不可欠
  5. ゼロステージ・マーケティング

    コロナショック対策として、外食のテイクアウト強化は意義ある取り組み。
PAGE TOP