カフェの「当たり前」から見えた、業績を左右する“空気”の正体
先日、少し時間が空いたので、いつもよりゆっくりコーヒーを飲もうと、街中のカフェに入りました。
特別おしゃれな店でもない。話題の新店でもない。
どちらかと言えば、ごく普通の、どこにでもありそうなカフェです。
席に座って、コーヒーを待ちながら、なんとなく店内を見渡していました。
BGMはうるさすぎず、静かすぎず。
店員さんの動きはテキパキしているけれど、せかせかはしていない。
お客さん同士の会話も、どこか穏やか。
「居心地がいいな」
そう感じた理由を、あえて言葉にしようとすると、実は難しい。
何か一つが突出して良いわけではない。
だけど、全体として整っている。
これ、経営の世界で言うと、まさに透明資産が効いている状態です。
見えないけれど、確実に存在するもの
このカフェ、メニューを見ると価格は決して安くありません。
近くに、もっと安いチェーン店もあります。
それでも、席はほぼ埋まっている。
長居している人も多い。
なぜか。
理由はシンプルで、
「なんとなく居心地がいい」からです。
ここで多くの経営者が勘違いします。
・立地がいいから
・商品がいいから
・価格が適正だから
もちろん、それらも大事です。
でも、それだけでこの「居心地」は生まれない。
この空間には、
・スタッフ同士の距離感
・お客さんへの目配り
・無言の配慮
・場を乱さない暗黙のルール
そういった言語化されていない価値が、自然に流れています。
これこそが、透明資産です。
―透明資産は「狙って」生まれる
ここで一つ、大事なことを言っておきます。
この空気は、偶然ではありません。
「たまたまいいスタッフが揃った」
「たまたま雰囲気が良くなった」
そう思いたい気持ちは分かります。
でも、現実は違う。
このカフェの空気は、
意図的につくられている可能性が高い。
例えば、
・新人が入ったとき、どんな声かけをしているか
・忙しい時間帯に、スタッフがどんな表情をしているか
・ミスが起きたとき、誰がどう対応しているか
こうした日常の積み重ねが、空気を形づくります。
経営で言えば、
「方針」「理念」「ルール」といった言葉よりも先に、
行動の質が空気を決める。
空気は、社長の言葉より、
社長の普段の態度を忠実にコピーします。
―最近のニュースを見て、思ったこと
ここ最近、企業不祥事や炎上のニュースをよく目にします。
内容をよく読むと、
多くの場合、問題は突然起きていない。
・以前から内部で違和感があった
・現場では「おかしい」と感じていた
・でも、誰も声を上げなかった
こういうケースがほとんどです。
なぜ、声が上がらなかったのか。
制度がなかったから?
仕組みがなかったから?
違います。
空気が、そうさせなかった。
・言いにくい空気
・逆らえない空気
・面倒なことは避けたい空気
これも立派な透明資産です。
ただし、マイナスに働く透明資産。
経営者が「うちはオープンな会社だ」と言っていても、
現場がそう感じていなければ意味がない。
空気は、言葉より正直です。
―売上は、空気の結果にすぎない
ここで、少し厳しい話をします。
売上が上がらない。
人が辞める。
採用がうまくいかない。
これらを、
「マーケティングが悪い」
「人材不足だから仕方ない」
で片付けてしまう経営者は多い。
でも、実際は逆です。
売上は結果。
離職も結果。
採用難も結果。
その原因の多くは、
社内外に漂う空気にあります。
カフェの話に戻しましょう。
あのカフェが、もし、、、
・スタッフがピリピリしていたら
・目を合わせない接客だったら
・ミスを責め合っていたら
どんなにコーヒーが美味しくても、
人は長居しない。
ビジネスも同じです。
―社長が変わらずして、空気は変わらない
ここは、何度でも伝えたいポイントです。
空気を変えたいなら、
制度を変える前に、
社長自身が変わる必要がある。
・忙しいとき、どんな表情をしているか
・うまくいかないとき、誰のせいにするか
・現場の声を、どう受け止めているか
社員は、社長の背中を見ています。
そして、驚くほど忠実に真似をします。
「言ってないのに、そうなっている」
それが空気の怖さであり、
同時に、最大の武器でもあります。
―透明資産は、育てれば増える
ここまで読んで、
「うちは、もう手遅れかもしれない」
そう思った方もいるかもしれません。
でも、安心してください。
透明資産は、
後天的に、いくらでも育てられる。
むしろ、意識し始めた瞬間から、
変化は始まっています。
・一つの声かけを変える
・一つの判断基準を揃える
・一つの行動をやめる
それだけでも、空気は動き出す。
カフェの空気も、
一朝一夕でできたわけではありません。
毎日の小さな選択の積み重ねが、
今の居心地をつくっています。
―「なんかいい会社」の正体
業績が安定している会社。
社員の表情がいい会社。
紹介が自然に増える会社。
こうした会社に共通しているのは、
派手な戦略よりも、
静かに流れる良い空気です。
そして、その空気は、
意図的につくられている。
私はこれを、
「透明資産経営」と呼んでいます。
見えないけれど、
確実に効いている。
数字にはすぐ出ないけれど、
時間とともに、必ず差になる。
―コーヒーを飲み終えて
カフェでコーヒーを飲み終え、
店を出るとき、スタッフが自然に目を合わせて
「ありがとうございました」と言ってくれました。
押し付けがましくもなく、
作業的でもなく。
たったそれだけなのに、
また来よう、と思う。
経営も、同じです。
お客様も、社員も、取引先も、
最後に残るのは、
「どう感じたか」。
その感情を設計できているかどうか。
ここに、
業績が伸び続ける会社と、
そうでない会社の分かれ道があります。
今日、あなたの会社には、
どんな空気が流れていますか。
そしてその空気は、
意図してつくられたものですか。
それとも、
気づかないうちに出来上がってしまったものですか。
この問いから、
透明資産経営は始まります。
―勝田耕司
<透明資産とは?>
業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。















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