透明資産とは?

【透明資産を見つけよう】『ON AIR』の魔法から学ぶ透明資産経営~見えない「空気」がビジネスを動かす8つのヒント~

『ON AIR』の魔法から学ぶ透明資産経営~見えない「空気」がビジネスを動かす8つのヒント~

 

こんにちは、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

 

ラジオから流れるDJの声、テレビで始まるニュース番組のオープニング――。これらの瞬間を「ON AIR(オンエアー)」と呼びますよね。私たちは、この「ON AIR」という言葉に、独特の魅力や興奮を感じます。なぜでしょうか?それは、そこに、今、この瞬間にしか生まれない特別な空気が存在するからです。

 

ラジオやテレビは、形のない「音」や「映像」を通して、私たちの感情を揺さぶり、情報を届け、時には深い共感を呼び起こします。このメディアが持つ「魔法」の正体こそが、私が提唱する「透明資産」の真髄だと僕は考えています。彼らは、私たちには見えないけれど、確かに存在する「空気」を緻密にデザインし、それを私たちと共有することで、人々の心を掴み、熱狂的なファンを生み出し続けているんです。

 

この「ON AIR」の魅力、その価値、人々が惹きつけられる心理、そしてその「空気」の作り方といった側面から、皆さんの会社やビジネスの「透明資産経営」に活かせるヒントを、8つの具体的な切り口で深く掘り下げていこうと思います。

 

―『ON AIR』の魅力と価値とは?人々を惹きつける「透明資産」の正体

 

ラジオやテレビの「ON AIR」が持つ最大の魅力は、その「ライブ感」と「双方向性(擬似的なものも含め)」が生み出す「透明資産」にあります。ON AIRは、まさに「今、そこで起きていること」という強いリアリティを伴います。生放送の番組では、予期せぬ出来事やハプニングもそのまま伝わり、それが独特の緊張感や面白さを生み出します。この「今」という一回性は、視聴者・聴取者に「その場に立ち会っている」という特別な感覚を与え、強い引き込み力を持ちます。

 

特定の番組を、多くの人々が同じ時間に、同じ空間(電波)を共有して視聴・聴取することで、私たちは「皆で同じ体験をしている」という連帯感を覚えます。例えば、サッカー中継でゴールが決まった瞬間のスタジアムの歓声と、それをテレビで聞いている人々の感情はシンクロし、一体感が生まれます。ラジオのDJやテレビのキャスター、レポーターは、単なる情報伝達者ではありません。彼らの話し方、声のトーン、表情、独自の視点やユーモアは、番組に個性と人間味を与えます。私たちは、彼らのパーソナリティに「親しみ」や「信頼」を感じ、まるで隣にいる友人のように錯覚します。この「人間的な魅力」こそが、番組の大きな透明資産となります。これらの透明資産が複合的に作用することで、ON AIRは単なる情報伝達手段を超え、人々の「感情」に訴えかけ、深い「共感」を生み出す強力なメディアとなるのです。

 

―『ON AIR』から学ぶ透明資産経営の8つのヒントとは?

 

では、この「ON AIR」の魔法の裏側にある「空気づくり」の技術を、皆さんのビジネスにおける「透明資産経営」にどうやって活かしていけばいいのでしょうか?

 

<ヒント1>『ライブ感』の創出 ― 「今、この瞬間」の共有が顧客の心を掴む

 

ON AIRの最大の魅力は、その「ライブ感」です。過去の出来事ではなく、「今、目の前で何かが起こっている」という感覚は、人々の注意を引きつけ、強い没入感を生み出します。皆さんのビジネスでも、「ライブ感」を意識して情報発信や顧客体験をデザインしてみましょう。オンライン会議やプレゼンで、録画されたものではなく、リアルタイムでの質疑応答やディスカッションを積極的に取り入れてみる。製品発表やイベントでは、新製品の発表をライブ配信で行い、その場で視聴者からの質問を受け付ける。限定感や一体感が生まれます。お客様対応は、マニュアル通りの対応だけでなく、お客様のその時の感情や状況に合わせて、柔軟で人間味のある「生きた」対応を心がけましょう。そこに、「共感」「特別感」「信頼」がうまれ、お客様は「今、自分たちのために対話してくれている」と感じ、企業への信頼感を深めます。

 

<ヒント2>『パーソナリティ』の確立 ― 「誰が語るか」が共感を呼ぶ

 

ラジオのDJやテレビのキャスターは、その「人柄」や「語り口」でファンを獲得します。彼らは、情報を伝えるだけでなく、自身の感情や視点を乗せることで、聴取者・視聴者との間に親密な関係を築きます。皆さんの会社やブランドも、明確な「パーソナリティ」を確立しましょう。リーダーや社員の顔が見える化社長やプロジェクトリーダーが、自身の言葉でビジョンや想いを語る機会を増やす(ブログ、SNS、社員総会など)。企業アカウントのSNSでも、定型文だけでなく、担当者の個性や人間性が垣間見えるような投稿を心がける。担当者個人の人間性や専門性が、お客様との信頼関係を築く上で重要な要素であることを意識し、社員の個性を伸ばす教育を行う。結果、「人間的な魅力」「親近感」「信頼」が高まり、企業やブランドが「血の通った存在」として認識され、お客様の愛着を深めます。

 

<ヒント3>『物語の創造』 ― 「なぜ」を語り、感情に訴える

 

ON AIRされる番組には、必ず「物語」があります。ニュースには背景があり、ドキュメンタリーには登場人物の人生が描かれ、ドラマには感情移入できるストーリーがあります。人は「物語」に惹きつけられます。皆さんの会社や商品・サービスにも「物語」を紡ぎましょう。「なぜ、この会社は存在するのか?」「なぜ、この商品を作ったのか?」「お客様にどんな未来を届けたいのか?」、そして創業者の情熱、開発秘話、困難を乗り越えたエピソードなどを積極的に語る。お客様が皆さんの製品・サービスを使って、どのように課題を解決し、成功したのかを「物語」として紹介する。社員一人ひとりの仕事への情熱や成長の物語を共有し、社内外に発信する。お客様は商品の機能だけでなく、その背景にある「想い」に共感し、社員は自社の存在意義を深く理解し、誇りを持つことができます。

 

<ヒント4>『双方向性(インタラクティブ)』の追求 ― 参加と共創で「絆」を深める

 

ON AIRメディアは、リスナーからのリクエストやメッセージ、視聴者からの意見募集など、様々な形で「双方向性」を生み出します。これにより、受け手は単なる情報受容者ではなく、「参加者」となり、番組への愛着を深めます。お客様や社員が「参加している」「共に創っている」という感覚を持てる機会を創りましょう。新商品のアイデア募集、アンケートを通じて意見を反映、限定コミュニティの運営など。部署横断のプロジェクト、改善提案制度、意見箱の設置など、社員が自由に意見を言える仕組み。SNSを活用してお客様からのコメントに積極的に返信する、ライブ配信でリアルタイムQ&Aを行うなど。これにより「エンゲージメント」「顧客ロイヤリティ」「当事者意識」「心理的安全性」が高まる。お客様や社員は「自分たちの声が届く」と感じ、企業との絆を深め、主体的に貢献しようとします。

 

<ヒント5>『コンテンツの企画力』 ― 飽きさせない「新鮮な空気」の供給

 

ON AIRメディアは、常に新しい番組、新しい企画、新しい情報を生み出し、リスナー・視聴者を飽きさせません。同じ情報でも、切り口や見せ方を変えることで、常に新鮮な「空気」を提供し続けています。あなたのビジネスでも、常に「新鮮な空気」を供給する企画力を磨きましょう。情報の発信では、同じ製品でも異なる視点からの使い方提案、開発者の声、ユーザーレビューなど、多角的なコンテンツを提供する。そしてお客様を飽きさせないための期間限定企画や、季節ごとのイベントを計画する。社員が常に新しい知識やスキルを学び、新しい業務に挑戦できる機会を提供することで、組織全体に「停滞しない空気」を創出する。これにより「お客様の期待感」「ブランドの活性化」「イノベーション」が醸成され、常に新鮮な刺激を提供することで、お客様の関心を引き続け、ブランドイメージを常に新しく保ちます。

 

<ヒント6>『裏方』のプロフェッショナリズム ― 見えない「安心感」の提供

 

ON AIRの背後には、ディレクター、技術スタッフ、構成作家など、多くの「裏方」のプロフェッショナルが存在します。彼らの見えない努力と緻密な準備が、ON AIRの質の高さを支え、視聴者・聴取者に「安心して楽しめる」という感覚を提供します。お客様や社員が「安心して利用・働ける」よう、見えない部分でのプロフェッショナリズムを徹底しましょう。製品の品質はもちろん、購入後のサポート体制、問題発生時の迅速な対応など、見えない部分の「安心感」を提供する。社員が効率的かつストレスなく働けるよう、IT環境やオフィス環境を整える。また、法律や社会規範を徹底して遵守し、企業としての「信頼性」を揺るぎないものにする。これにより「信頼性」「安心感」「企業の社会的責任(CSR)」が高まる。お客様や社員は、見えない部分の質にも敏感です。ここでのプロフェッショナリズムが、企業への揺るぎない信頼に繋がります。

 

<ヒント7>『緊急対応力』と『回復力』 ― 危機を乗り越える「誠実な空気」

 

生放送では、予期せぬトラブルやハプニングが発生することもあります。その際、いかに冷静に、誠実に対応し、番組を立て直すか。この「緊急対応力」と「回復力」は、ON AIRメディアのプロとしての真価が問われる瞬間です。あなたのビジネスでも、不測の事態や顧客からのクレームが発生した際の「緊急対応力」と「回復力」を組織の透明資産として磨きましょう。

トラブル発生時、隠蔽せずに状況を速やかに開示し、原因究明と再発防止策を明確に伝える。お客様からのクレームに対し、言い訳をせずに真摯に受け止め、迅速かつ具体的な解決策を提示する。そして想定されるリスクを洗い出し、事前に対応プロトコルを確立しておくことで、危機時のパニックを防ぐ。これにより「誠実さ」「信頼性」「レジリエンス(回復力・適応力)」が強化されます。困難な状況での真摯な対応は、一時的に失われた信用を回復させ、結果的に深い信頼へと繋がる強力な透明資産となります。

 

<ヒント8>『継続性』と『進化』 ― 「育む空気」で未来を創る

 

ラジオやテレビ番組は、常に「継続」し、そして「進化」し続けることで、ファンを繋ぎ止め、新たなファンを獲得しています。長寿番組が愛されるのは、その安定した提供と、時代に合わせた柔軟な変化があるからです。あなたのビジネスも、一時的な成功に満足せず、「継続」と「進化」を意識して透明資産を育みましょう。長期的な視点でのお客様との関係を構築します。目先の売上だけでなく、お客様との長期的な関係性を重視し、定期的なコミュニケーションやサポートを継続する。常に市場の変化やお客様のニーズを捉え、新しい知識や技術を取り入れ、組織全体で学び、改善し続ける文化を育む。創業の精神や企業理念を大切にしつつも、時代に合わせてその表現方法や解釈を柔軟に進化させていく。これにより高まる項目は「持続可能性」「ブランド力」「適応力」です。継続的な努力と進化が、企業を「時代の変化に強い存在」として位置づけ、未来へと繋がる透明資産を創出します。

 

―『ON AIR』が教えてくれる「透明資産経営」の真髄

 

ラジオやテレビの「ON AIR」は、目には見えないけれど、人々の心に深く響く「空気」を創造し、共有する究極のメディアです。その「魔法」の裏側には、「ライブ感」「パーソナリティ」「物語」「双方向性」「企画力」「裏方のプロフェッショナリズム」「緊急対応力」、そして「継続性」と「進化」といった、様々な「透明資産」を育むためのヒントが詰まっています。

 

これらのヒントを皆さんのビジネスに活かすことで、単なる商品やサービスを提供する企業から、お客様や社員が心から共感し愛着を抱き共に未来を創造したいと願う存在へと進化できるはずです。

 

私たちは皆、それぞれのビジネスという舞台で、「ON AIR」しているプロフェッショナルです。ぜひ今日から、皆さんのビジネスに「ON AIR」の魔法のエッセンスを加え、「透明資産」を最大限に活かす経営を実践してみてください。

 

皆さんの「透明資産」を見つけ、育て、そして輝かせていくヒントになれば幸いです。

 

―勝田耕司

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