透明資産とは?

【透明資産を見つけよう】見えない価値を育む「透明資産」~活気ある職場を築く人、組織、そして文化の醸成~

 

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

企業経営を推進する要素の中で、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組み透明資産。私は、これからの経営で最も重要でありながら見過ごされがちなことだと考えています。これは、財務諸表には現れない、しかし企業の持続的成長に不可欠な無形の価値、例えば良好な職場環境や社員間の強固な信頼関係を指します。

この透明資産を大切にした経営では、特に職場の空気感を良くする人の存在は、この透明資産経営を育み、組織全体の活力を高める上で極めて重要な役割を担っています。彼らは、個人の能力を超えて、周囲にポジティブな影響を与え、やがては組織文化そのものを変革していく力を持っています。

職場の空気感が良い企業は、単に居心地が良いというだけでなく、社員のエンゲージメント、生産性、創造性を飛躍的に向上させ、結果として企業全体の業績にも良い影響をもたらします。本稿では、あなたの会社の透明資産経営を昇華させる良い空気感をつくれる人が持つ具体的な特徴を深掘りし、彼らが職場にもたらす変革、そしてそうした人材を意図的に育成し、さらに良い環境を築き上げていくための戦略について書いていきます。

職場の空気感を良くする人は、いわば組織の無形資産の守護者なのです。彼らの行動一つ一つが、職場の見えない価値、すなわち透明資産の源泉を積み重ねていきます。まずは彼らが具体的にどのような特徴を持ち、いかにして周囲に良い影響を波及させているのかについて解説しましょう。

いつも笑顔で接する人、それは空気を作る表情の力をもっている人です。笑顔は、最もシンプルでありながら、職場の空気感を一変させる強力なツールです。心理学的な観点からも、人の表情は感情に大きな影響を与え、ミラーニューロンの働きによって、笑顔は周囲にも伝播しやすいことが知られています。笑顔を絶やさない人が職場にいるだけで、その場の空気は自然と和み、安心感が生まれます。これは、単に個人的な明るさだけでなく、あなたを歓迎している、ここにいて良い、という非言語のメッセージとして機能します。

例えば、朝、出社時に目が合った瞬間の笑顔や、忙しい中でも感謝の言葉を伝える際の微笑みは、一日の始まりを気持ちの良いものにし、業務中の小さなストレスを軽減します。たとえ意識的に作り笑顔から始まったとしても、それが習慣化されることで、自然とポジティブな感情が芽生え、真の笑顔へと変化していくことも少なくありません。こうした小さな習慣が連鎖することで、職場全体が明るく、オープンな雰囲気に包まれていくのです。

次に、相手の立場を理解し共感できる人、信頼の礎を築く心の対話ができる人です。真の意味で職場の雰囲気を良くする人は、表面的なコミュニケーションだけでなく、相手の心に寄り添う共感力と、その心を理解しようとする傾聴力に長けています。共感とは、相手の感情や状況を自分事のように捉え、寄り添う姿勢であり、傾聴は、相手の言葉だけでなく、その裏にある感情や意図までをも聞き取ろうとする深い理解を伴います。

部下が仕事で悩んでいる時、上司がただ解決策を提示するだけでなく、大変だったね、それは辛いだろうね、といった共感の言葉を添えることで、部下は理解されている!という安心感を覚えます。また、同僚が過度な業務量を抱えている際に、「何か手伝えることはない?」「何か聞いておいた方がいいことない?」と声をかけることで、助け合いの精神が育まれます。これらの行動は、表面的な協調性だけでなく、この人になら何を話しても大丈夫という深い信頼関係を築き、結果としてパフォーマンスを存分に発揮できる職場環境を生み出します。

多忙な現代において、つい自分本位になりがちですが、「もし自分がこの状況だったらどう感じるだろう?」と常に問いかける習慣を持つことが重要です。また、組織としても、社員が心に余裕を持てるよう、適切なリソース配分やワークライフバランスの推進を通じて、共感力が育まれる土壌を耕す必要があります。

続いて、自然な挨拶や声かけを行う人、関係性を紡ぐ言葉の力を持っている人です。挨拶や声かけは、人間関係の基本中の基本ですが、職場の雰囲気を良くする上でその効果は計り知れません。たった一言の「おはようございます」「お疲れ様でした」「いつもありがとう」が、相手にあなたの存在を認識していること、あなたを尊重している」というメッセージを伝え、円滑な人間関係を築く第一歩となります。これらの言葉は、コミュニケーションの障壁を取り払い、心理的距離を縮める役割を果たします。

特にリモートワークが普及した現代においては、対面でのコミュニケーション機会が減少しているため、チャットツールや社内SNSなどを活用したデジタルにおける挨拶の重要性も増しています。「出勤しました」「今日の業務は終了します」といった簡単なメッセージでも、互いの存在を意識し合うことで、一体感を保つことができます。

また、挨拶や声かけは、社員の安心感を確保する上でも不可欠です。日頃から気軽に声をかけ合える関係性があれば、何か問題が発生した際にも躊躇なく報告・相談ができるようになります。これにより、情報の流通がスムーズになり、問題解決のスピードが向上し、結果として組織全体のパフォーマンスを高めることにつながります。

そして、チーム全体の状況を把握し適切に行動する人、全体最適を導く俯瞰の視点を持っている人になります。職場の空気感を良くする人は、個人の業務に集中しつつも、常に周囲に目を配り、チーム全体の状況を俯瞰的に捉える能力に長けています。彼らは、誰かが困っているサインを見逃さず、必要な場面で手を差し伸べたり、時には言葉をかけることで、チーム全体の相互支援の文化を醸成するのです。

例えば、会議中に発言をためらっている人がいれば、「〇〇さんはどう思いますか?」と声かけて発言を促すことで、その人の意見を引き出し、議論を活性化させます。また、特定のメンバーに業務負荷が集中していることを察知すれば、自主的に手伝いを申し出たり、周囲に協力を促したりすることもあります。このような気づきと行動は、チームワークを強化し、職場の生産性向上に直結します。

さらに、こうした「配慮のできる人」を管理職やリーダーといった重要なポジションに配置することは、組織全体の雰囲気を飛躍的に向上させる効果が期待できます。彼らの行動が規範となり、他のメンバーもそれに倣うことで、好循環が生まれるからです。

こうして、良い空気感をつくれる人が変える職場の未来について書きます。透明資産経営の増大につながることを感じ取っていただけるでしょう。職場の雰囲気を良くする人が増えることで、組織には様々なポジティブな変化が生まれます。これらの変化は、目には見えない透明資産の源泉として蓄積され、企業の競争優位性を確立する上で不可欠な要素となります。

コミュニケーションの活性化がもたらす共創の力に不可欠な良好なコミュニケーションは、単なる情報伝達の手段を超え、共創の土台となります。職場の空気感が良いと、社員は安心して自分の意見やアイデアを発信できるようになり、活発な議論が生まれます。これにより、多様な視点から問題が検討され、より革新的で質の高い解決策が導き出されます。

例えば、オープンなコミュニケーションが根付いた職場では、些細な疑問点でも気軽に質問でき、認識のズレが早期に解消されます。また、ブレインストーミングの場では、誰もが自由に発言できるため、斬新なアイデアが生まれやすくなります。このような環境は、社員一人ひとりの主体性を引き出し、チーム全体の生産性と創造性を向上させ、結果として企業の成長を加速させます。

誰でも発言できる場を設け、発言を否定せずに受け止める文化を醸成することは、リーダーの重要な役割です。上司やリーダーが率先してオープンな対話を心がけることで、社員は安心して意見を交換できるようになり、自分のチカラを存分に発揮できる!という安心感が保障された環境で、より積極的に業務に取り組むことができるようになります。

このように良い空気感をつくれる人がポジティブな発言をするこで活力の連鎖がうまれます。そう、このような人の言葉には、周囲の心を動かし、行動を促す強力な力があります。職場の空気感を良くする人が発するポジティブな言葉は、周囲に活力と希望を伝播させ、困難な状況においても前向きな姿勢を保つ助けとなります。

できる、きっとうまくいく、次がある、、、といった前向きな言葉は、社員の士気を高め、モチベーションを維持する上で不可欠です。逆に、ネガティブな発言は、職場全体の雰囲気を沈ませ、思考を停滞させ、時には諦めに繋がることもあります。建設的なフィードバックもまた、ポジティブな言葉遣いによってその効果を最大化できます。「この方法はダメだ」ではなく、「別の視点から考えると、もっと良い方法があるかもしれない」といった表現を用いることで、相手は萎縮することなく、前向きに改善に取り組むことができます。

このようなポジティブな言葉が習慣化された職場では、社員同士が互いに励まし合い、困難に直面しても諦めずに挑戦し続ける文化が根付きます。この活気の連鎖は、企業の生産性向上だけでなく、社員のエンゲージメント向上にも大きく貢献します。さらに、職場の雰囲気を良くする人は、常に相手への尊重と思いやりを基本とした行動を取ります。この姿勢は、職場における信頼関係の構築に不可欠であり、強固な人間関係の基盤となります。

互いを尊重し合う職場では、パワハラやハラスメントといった人間関係のトラブルが起こりにくく、社員は安心して業務に集中できます。上司が部下の意見を真摯に傾聴し、その多様な視点を尊重することで、部下は安心して自分のアイデアや提案を出すことができます。これにより、業務改善や新しい取り組みへの積極的な貢献が期待できます。

また、同僚同士がお互いを気遣い、助け合う文化が根付けば、些細な誤解や意見の相違も早期に解消され、協力体制が強化されます。このような信頼の循環は、社員の離職率低下にも繋がり、優秀な人材の定着にも貢献します。信頼関係が深まることで、社員は組織への帰属意識を高め、より主体的に業務に取り組むようになるのです。

職場の透明資産の源泉を増大させ、持続的な成長を実現するためには、良い空気感をつくれる人を偶発的に待つだけでなく、意図的に育成し、彼らが活躍できる文化を醸成していく必要があります。これは、単一の施策で達成できるものではなく、教育、リーダーシップ、そしてツールの活用を組み合わせた多角的なアプローチが求められます。これらの人を育む上で最も重要なスキルの一つが、共感力と傾聴力です。これらは、先天的な能力だけでなく、後天的に習得・向上させることが可能です。

効果的なトレーニング方法としては、アクティブリスニングトレーニングが挙げられます。このトレーニングでは、相手の話を途中で遮らずに聞く、適切な相づちを打つ、相手の言葉を要約して確認するといった具体的なスキルを学びます。単に知識を詰め込むだけでなく、ロールプレイング形式で実際の職場でのシチュエーションを想定し、参加者同士がフィードバックし合いながら、実践的なスキルを磨くことが重要です。

また、非言語コミュニケーションの重要性にも着目し、表情や声のトーン、姿勢などから相手の感情を読み取る練習も有効です。これらのトレーニングを通じて、社員一人ひとりが相手の立場に立って考える習慣を身につけ、より深く、質の高いコミュニケーションを実現できるようになります。職場の「空気感」を意図的につくる仕組み、透明資産の運用が最大限に発揮されるためには、安心して自らのパフォーマンスが発揮できる環境が確保されることが不可欠です。社員が「失敗しても責められない」「自由に意見を言っても大丈夫」と感じられる環境でこそ、新たな挑戦や創造的な発想が生まれます。このような環境を担保する上で、リーダーの役割は極めて重要です。

また、定期的な1on1ミーティングを実施することで、リーダーと部下の間の信頼関係を深め、部下の悩みや意見を吸い上げる上で非常に有効です。これにより、部下は安心して自分の本音を話せるようになり、リーダーは個々の状況をより深く理解し、適切なサポートを提供できるようになります。リーダーとメンバーは、対峙や上下の関係ではなく、同じ目標にむかって、どうやって行動していくか?という共通の視点をもつことができます。そこでは、リーダーが「私も完璧ではない、助けが必要な時もある」というメッセージをもつことで、部下が安心して弱みを見せられる環境を作ります。

現代の多様な働き方に対応し、職場の透明資産を育むためには、コミュニケーションツールの戦略的な導入が不可欠です。適切なツールは、物理的な距離や時間的な制約を超えて、社員間の円滑なコミュニケーションを促進し、透明性の高い職場環境を構築します。プロジェクト管理ツールやチャットツールを導入することで、情報共有のスピードと透明性が向上します。

これにより、誰が何に取り組んでいるのか、どのような課題があるのかが可視化され、相互理解が深まります。また、社内SNSや掲示板を活用することで、部門や役職を超えた非公式なコミュニケーションが促進され、社員間の偶発的な出会いやアイデアの創出に繋がることもあります。

ただし、ツールの導入だけでは不十分です。重要なのは、それらのツールをいかに活用するかという運用面の工夫です。例えば、ツールの使い方に関する研修を実施したり、積極的な利用を促すためのキャンペーンを行ったりすることも有効です。また、経営層や管理職が率先してツールを活用し、オープンなコミュニケーションの姿勢を示すことで、社員も安心して利用するようになります。

最後に、あなたの会社の透明資産経営を推進する上で忘れてはならないことがあります。それは、良い空気感のある場所には自然と良い空気感の人が集まるという原則です。活気に満ち、互いを尊重し合う職場は、新たな人材を引きつけ、既存の社員の定着率を高めます。

魅力的な職場環境は、採用活動において強力な武器となります。候補者は、企業の給与や福利厚生だけでなく、職場の雰囲気や人間関係を重視する傾向にあります。実際に職場見学や社員との交流を通じて、ポジティブな雰囲気を肌で感じられれば、その企業で働きたいという意欲が高まります。

また、既存の社員にとっても、良好な職場環境はエンゲージメントを高め、モチベーションを維持する上で不可欠です。居心地が良く、自分の意見が尊重される環境であれば、社員はより長くその企業に貢献したいと考え、積極的に業務に取り組むようになります。これにより、離職率が低下し、優秀な人材の流出を防ぐことができます。

このように、職場の透明資産の源泉である良い空気感をつくる人の存在は、新たな良い空気感をもつ人を呼び込み、さらなるその連鎖があなたの会社の理想の空気感をもつ環境を育むという好循環を生み出します。これは、一朝一夕で築かれるものではありませんが、社員一人ひとりの意識と行動、そして組織としての継続的な努力によって、確実に実現できる未来です。職場の空気感を良くする人の存在は、企業にとって計り知れない価値を持つ透明資産経営そのものといっても過言ではありません。

彼らが持つ笑顔、共感力、挨拶、俯瞰的な視点といった特性は、コミュニケーションを活性化させ、ポジティブな職場環境を築き、組織の空気感を理想的な状態にして、最終的にはあなたの会社の競争力を高めるでしょう。

これらの人財を育成し、彼らが活躍できる文化を醸成するためには、共感力・傾聴力を高める社内学校での教育、一人一人がパフォーマンスを発揮できる環境を醸成するリーダーシップの確立、そして効果的なコミュニケーションツールの導入が不可欠です。そして良い環境を継続的に追求する組織の姿勢こそが、より多くの良い空気感をもつ人を引き寄せ、透明資産経営を昇華させる原動力となるでしょう。

あなたの会社は、今日、どのような透明資産を育んでいますか?そして、明日の職場で、どのような良い空気感をもつ人が輝いていることを想像しますか?

―勝田耕司

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