透明資産とは?

【透明資産を見つけよう】閉店間際の店内に滲み出る、組織の“本音”と続く会社の条件

閉店間際の店内に滲み出る、組織の“本音”と続く会社の条件

 

カフェでコーヒーを飲みながら、

ふと、夜の店内の光景が頭に浮かびました。

 

昼間の喧騒がすっと引いて、

人の声が少なくなり、

空気が少しだけ重く、

そして正直になる、あの時間帯。

 

閉店間際です。

 

シャッターが

「ガラ…ガラガラ…」

と下りる直前の、

あの独特の静けさ。

 

私は、あの時間帯に、

経営の“本音”が

一番よく見えると思っています。

 

閉店間際、空気は嘘をつかない

 

閉店30分前。

 

照明が、ほんの少し落とされる。

BGMの音量が、わずかに下がる。

足音が「コツ…コツ…」と響きやすくなる。

 

その瞬間、

店の空気が変わる。

 

・ホッと緩む店

・ピリッと荒れる店

・無言で疲れが滲み出る店

 

どれも、

演じようとしているわけではありません。

 

素が出る。

 

これは、

会社でもまったく同じです。

 

最後のお客さんへの「一言」に宿るもの

 

閉店間際、

最後のお客さんが入ってきたとき。

 

その店は、

どう迎えるか。

 

「いらっしゃいませ」

この一言が、

 

ふわっと、

やわらかく、

体温を持って届くのか。

 

それとも、

 

カサッと、

乾いて、

義務的に落ちるのか。

 

耳に入る音は同じでも、

身体の感じ方は、まるで違う。

 

この差は、

接客技術ではありません。

 

その組織が、どこまで“続く前提”で動いているか

その違いです。

 

疲労が出るときこそ、本音が出る

 

人は、

疲れたときに、

一番正直になります。

 

・気を遣えなくなる

・取り繕えなくなる

・我慢が効かなくなる

 

閉店間際は、

まさにその時間帯。

 

だから、

 

・イラッとした表情

・語尾の荒さ

・無言のため息

 

そういったものが、

「スッ…」と

空気に溶け出す。

 

会社でも同じです。

 

・月末

・繁忙期の終盤

・プロジェクトの終わり際

 

このときに出る空気こそ、

その会社の地力です。

 

続く会社は、閉店間際がやさしい

 

長く続いている店、

長く続いている会社。

 

共通しているのは、

閉店間際の空気が、やさしいこと。

 

ベタベタしていない。

過剰でもない。

 

でも、

 

「今日も一日、よくやったな」

そんな無言の共感が、

店内に「ふわっ」と漂っている。

 

音で言えば、

キンキンではなく、

「とん…とん…」と

まな板を打つ、落ち着いたリズム。

 

このリズム感が、

持続力を生みます。

 

閉店間際に荒れる組織の特徴

 

一方で、

閉店間際に空気が荒れる組織。

 

そこには、

はっきりした特徴があります。

 

・余裕がない

・評価に追われている

・「早く終われ」が支配している

 

この状態では、

最後の仕事は「作業」になり、

誇りが抜け落ちる。

 

すると、

 

「どうせもう終わりだし」

「今日くらいいいだろ」

 

そんな空気が、

じわじわと染み出す。

 

これが続くと、

組織は内側から摩耗します。

 

社長の“一日の終わり方”が空気を決める

 

ここで、

経営者にとって重要な話です。

 

閉店間際の空気は、

ほぼ確実に、

社長の一日の終わり方を

トレースしています。

 

・最後に誰に声をかけるか

・何を確認するか

・どんな表情で帰るか

 

この積み重ねが、

現場の無意識をつくる。

 

「今日もありがとう」

この一言があるかないか。

 

それだけで、

閉店間際の空気は、

驚くほど変わります。

 

持続する組織は「終わり」を丁寧に扱う

 

多くの会社は、

「始まり」には力を入れます。

 

・キックオフ

・朝礼

・スタートダッシュ

 

でも、

終わり方には無頓着。

 

実は逆です。

 

終わり方が雑な組織ほど、

翌日が重くなる。

 

終わり方が丁寧な組織ほど、

翌朝が軽い。

 

閉店間際に、

空気を整える会社は、

毎日リセットできる。

 

これが、

続く会社の正体です。

 

「また明日」が自然に浮かぶ空気

 

いい店、いい会社には、

共通する感覚があります。

 

それは、

「また明日も、ここに来よう」

と、

無意識に思わせる空気。

 

閉店間際、

 

・無理に追い出さない

・無言で片付けない

・でも、だらけない

 

この絶妙な間。

 

身体で言えば、

力が抜けているのに、

芯は立っている状態。

 

これが、

透明資産として積み上がります。

 

コーヒーの温度が下がる頃に

 

カフェで、

少し冷めたコーヒーを

口に含みながら思いました。

 

経営の差は、

最後の10分に出る。

 

閉店間際、

人が一番疲れ、

一番正直になる時間。

 

そこに、

どんな空気を残しているか。

 

あなたの会社の

「閉店間際」は、

どんな音がしていますか。

 

「バタバタ…」ですか。

「ピリッ…」ですか。

それとも、

「ふぅ…」と

静かに整っていますか。

 

透明資産は、

終わり際に、

最もはっきりと姿を現します。

 

そして、

その空気が、

会社を“明日へ”

連れていくのです。

 

―勝田耕司

 

<透明資産とは?>
業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。

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