〜外食のテイクアウト強化は意義ある取り組み。
店の存在を忘れないでいてもらうことが大事〜
コロナウィルス禍によって
引き起こされた経済の停滞は本当に深刻です。
リーマンショックの比ではない、
という声も聞かれますが、
今回の事態では「先が見えない」
ということの怖さをひしひしと感じます。
そのことによる不安が
人々の行動を後ろ向きにし、
それによって経済がさらに停滞するという
悪循環に陥っています。
事業者と消費者が
少しでも前向きな行動をとれるような
大胆な政策を、
いち早く実行することが望まれます。
学校の休校要請やテレワークの推奨によって、
消費が明らかに“巣籠り”の傾向を見せています。
人々が街に出てこない。
これは外食ビジネスにとって
怖いことです。
当面の業績悪化はもちろんのことですが、
別に外食しなくてもいい、
外食がなくても困らないという意識が
浸透してしまえば
“外食離れ”につながり、
いずれは外食市場そのものの
縮小を招くことになります。
その点で、
いま外食企業が取り組んでいる
テイクアウト商品の強化は
意義のあることだと思います。
休校措置やテレワークによって
家にいることが多くなった人や、
家の外で食事をすることに不安がある
人のニーズに応えることは、
食を提供するビジネスとして
重要な社会貢献になるからです。
たとえば
関西が主力の和食ファミリーレストランチェーン
「和食さと」では、
人気のテイクアウト商品を
3月末まで割引価格で提供しています。
5品目が通常価格の半額となり、
「若鶏の唐揚げ弁当」は294円、
「ロースとんかつ弁当」は349円など、
日常生活でも
利用しやすい価格にしています。
回転ずしチェーンの「かっぱ寿司」では
3月14日~3月31日までの期間限定で、
テイクアウト商品の
20%引きキャンペーンを
はじめました。
テイクアウトだけでなく、
Uber Eats・出前館でのデリバリー注文でも
20%引きとしています。
近畿圏ドミナントで店舗展開している
ラーメンまこと屋も
持ち帰り商品6品の
20%オフキャンペーンを
4月30日まで実施しています。
こういった取り組みは、
消費者に店の存在を「忘れないでいてもらう」ために
重要なことです。
お客さまが何かのきっかけで
店に行かなくなったり、
なんとなく足が遠のいてしまうというのが、
外食の業績を悪化させる大きな要因です。
今回のコロナウィルス禍によって、
多くの飲食店がそうした状況に陥る危険性があります。
外食を避ける傾向にあるなかでも、
店の存在がきちんと認知され、
お客さまの食事の選択肢の中に
入り続けていることが大事です。
現在の状況が終息し、
人々がそれまでの日常を取り戻した時に、
そのことが大きな効果を発揮するはずです。
ー勝田耕司
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