Well-Beingすなわち幸福であるために何が必要か。この問いかけを突き詰めていくと、結局のところ「人は何のために生きているか」という問題に行き着きます。つまり、あなたにとって人生の目的は何かということです。
ここで問題になってくるのが「目的」と「目標」です。混同されがちなこの2つの言葉には、実は本質的な違いがあります。
たとえば企業経営においては、目的とは「何のためにその事業をするのか」ということです。その目的とは、お客さまに対して常に誠実な対応をしたり、おいしい料理を提供して顧客満足度を高めること。また従業員に対しては、働くことを通じて幸せを実現することです。つまり、企業が追い続けるテーマこそが目的です。
一方で目標とは、数字などによって具体的に表現されるものです。たとえば、5年後に売上高を現在の倍にし、利益率を10%以上にする。従業員の幸福度を測る指標を現在の4から5にする、といったことです。より長期的な目標は「ビジョン」とも表現されます。
大切なことは、目的と目標が一致していることです。企業として数値目標を追いかけるあまり、従業員の健康が害されるようなことがあってはなりません。また、短期的な利益ばかりを追求してコストを削減し、結果として顧客満足度を下げてしまうのも問題です。目的と目標はあくまで、ともに追求すべきものなのです。
人が生きていくうえでも同じことが言えます。自分自身の人生の目的と、その人生における目標を明確にして、それを一致させていくことが幸福感をつくります。ですからここでは、どのような目標を立てるか、そのプロセスをどうするかが問題になってきます。
そのポイントは以下の3つです。
①人生の目的とのつながりをイメージする
②すでにWELLであることに気づく
③自分のリソースを生かす
①は、職場の目標と自分の人生の目的がつながっていることを意識することです。②は「自分には〇〇が足りない」とネガティブに考えるのではなく、「自分はすでにいろんなものを持っている」と意識すること。③はそれを発展させ、自分の個性や知識、持っている人脈などを生かしていくことです。
その結果として「内発的モチベーション」が生まれます。外から与えられるのではなく、自分の中から生まれる前進のためのエネルギー。それこそが一人ひとりの幸福感を生み、人生においてもっとも大切な「透明資産」をつくっていくのです。
ー勝田耕司
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