会議開始5分前の空気に、組織の実力はすべて出ている
カフェでコーヒーを飲みながら、
今日はどんな話をしようかと考えていました。
こういう時間に思い浮かぶのは、
華やかな成功事例よりも、
どこにでもある、
でも見過ごされがちな一瞬の風景です。
今回は、
「会議開始5分前」。
多くの会社で、
毎日のように繰り返されている、
あの時間です。
会議は「始まる前」に、ほぼ決まっている
私はこれまで、
本当にたくさんの会議を見てきました。
業績が伸びている会社。
停滞している会社。
これから崩れそうな会社。
不思議なことに、
その違いは、
会議が始まってからではなく、
始まる前の5分で、
ほぼ分かります。
・全員が無言でスマホを見ている
・ギリギリに滑り込んでくる
・誰も資料を開いていない
こういう会議は、
たいてい長い。
そして、決まらない。
逆に、
・早めに集まり、自然に席に着く
・雑談があるが、だらけていない
・資料に目を通している人が多い
こういう会議は、
短く、鋭く、前に進む。
ここに、
透明資産の差が
はっきりと出ています。
「5分前の空気」は、誰がつくっているのか
会議開始5分前。
この時間、
特別なルールはありません。
発言しなくてもいい。
評価もされない。
記録も残らない。
だからこそ、
組織の素が出る。
では、この空気は、
誰がつくっているのか。
答えは明確です。
社長です。
もっと正確に言えば、
社長の「会議に対する姿勢」が、
空気として染み出しています。
・社長自身がギリギリに来る
・資料を読んでいない
・会議を「作業」だと思っている
そういう会社では、
5分前は「空白」になります。
会議前に流れる“見えないメッセージ”
5分前の空気には、
たくさんの無言のメッセージが含まれています。
例えば、
・この会議は、本気か?
・自分は、準備する価値がある存在か?
・ここで発言しても、意味はあるか?
これらは、
誰も口にしません。
でも、
空気として、
全員が受け取っています。
そして、
その答えが、
会議の質を決める。
強い組織の会議前は、静かに整っている
業績が安定している会社、
意思決定が早い会社。
そういう会社の
会議開始5分前は、
意外と静かです。
でも、
エレベーターの沈黙とは違う。
・張り詰めていない
・萎縮していない
・でも、緩んでもいない
それぞれが、
「自分の役割」に
自然に入っている。
この状態を、
私は空気が整っていると表現します。
会議が荒れる会社の共通点
逆に、
会議が荒れる会社には、
明確な共通点があります。
・開始直前まで雑談が止まらない
・開始と同時に、空気が切り替わらない
・誰かが仕切らないと、始まらない
これは、
個人の資質ではありません。
空気の切り替えが設計されていない。
日常と会議の境界が曖昧なまま、
いきなり「真剣な議論」をしようとする。
これでは、
集中も、覚悟も、生まれない。
「5分前」を軽視する会社は、判断を誤る
経営で怖いのは、
判断ミスです。
そして、
判断ミスの多くは、
会議の空気から生まれます。
・なんとなく決まった
・反対意見が出なかった
・後から不満が噴き出す
これらの原因は、
議論の中身ではなく、
議論に入る前の空気。
5分前に、
「どうせ決まっている」
「言っても無駄」
そんな空気が流れていたら、
どんなに優秀なメンバーでも、
本音は出ません。
社長ができる、たった一つのこと
では、
社長は何をすればいいのか。
難しいことは、
何一つありません。
社長自身が、5分前に席に着く。
これだけで、
空気は変わります。
・準備している姿
・待っている姿
・場を大切にしている姿
言葉よりも、
この姿勢が、
透明資産として蓄積される。
「会議を大切にしている会社だ」
この無言のメッセージが、
組織に浸透します。
会議前の雑談が示す、本当の健全度
ちなみに、
雑談があるかどうかは、
問題ではありません。
重要なのは、
どんな雑談か。
・誰かの悪口
・愚痴
・皮肉
これが多い会社は、
5分前の空気が濁っています。
一方で、
・仕事に関係する軽い情報交換
・昨日の出来事
・前向きな失敗談
こうした雑談は、
むしろ良い透明資産。
空気を温め、
議論に入りやすくします。
会議は「時間」ではなく「場」である
多くの会社が、
会議を「時間」として管理します。
・〇時から〇時
・アジェンダ
・議事録
もちろん大事です。
でも、
本質は「場」。
その場に、
どんな空気が流れているか。
5分前の空気は、
その場の質を、
何よりも正確に映します。
コーヒーを飲みながら、最後に一つ
カフェでコーヒーを飲みながら、
私はよく思います。
経営の差は、
特別な戦略よりも、
こうした何気ない5分に宿る。
あなたの会社の会議開始5分前は、
どんな空気でしょうか。
張り詰めていますか。
緩みきっていますか。
それとも、
静かに整っていますか。
その空気は、
偶然ではありません。
これまでの、
社長の在り方、
組織の積み重ねが、
そのまま表れています。
透明資産は、
会議が始まる前から、
すでに仕事をしています。
気づいた瞬間から、
設計は始められます。
―勝田耕司
<透明資産とは?>
業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。















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