HYGGEであることが“健康経営”を実現し、結果として生産性を高める。そういう理想的な職場をつくるためにはどうすればよいのか。それを考えるための第一歩は、HYGGEを実現するために必要な条件を整理することです。
その条件をまとめたのが「ヒュッゲ10ヵ条」です。以下に列記してみましょう。
1.雰囲気――部屋の明るさは、ほのかに
2.「今」「ここ」――携帯の電源を切って、「今ここ」に集中しましょう
3.お楽しみ――コーヒー、チョコレート、クッキー、ケーキ、キャンディー、大好き!
4.公平・平等――「私」より「私たち」、時間と家事はシェア
5.感謝――「ありがとう」と言って受け取りましょう
6.調和――勝負や成功をひけらかすのは、かっこ悪い
7.気楽さ――ひと休みして、リラックス
8.平和――波風立てるのはやめましょう、政治の話はまた今度
9.一体感――相手との間にどんな物語がありますか
10.安らぎ――穏やかで不安のない場所を大切に
このヒュッゲ10ヵ条は、そのまま職場の雰囲気づくりや人間関係の構築のために必要な条件になります。そこで大切なことを一言で言えば「BELONGING」となります。つまり、そこに存在することに喜びを感じる、心地よさを感じるということです。
組織を構成する一人ひとりが「自分はここにいていいんだ」と思い、同時に他者に対しても「あなたは大切なメンバーだよ」と思えてこそ、組織はひとつになり共通の目的に向かって進むことができます。
つまり、自分の自己一致感と相手との自己一致感を共有すること。これこそが本当の意味での一体感を生むのです。
これまで、あなたがBELONGINGを感じた職場はどんなところで、どんなことをしていたか思い出してみましょう。
そこでは、特別な行事だけでなく普段のお付き合いや、日々のなにげない声がけに至るまで、相手を大切にする気持ちに溢れていたはずです。
新人歓迎会ではお菓子がたくさん用意されていたり、「わがチームにようこそ!」といった手紙が手渡される。立場や役職の名称ではなく名前で呼び合う。
外出先から帰ってきたスタッフと「おかえり」「ただいま」と声をかけ合う、など。そうした言動が自然になされる職場こそ本当の意味で一体感のある、HYGEEな職場といえます。
人は資産であると言われますが、本当に大切なのは「一人ひとりがかけがえのない存在である」という気持ちが組織の中で共有されていることです。
そういう気持ちこそ、人財(人材)と同等あるいはそれ以上に大切な「透明資産」と言えるのではないでしょうか。
-勝田耕司
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