「Well-Being」を組織として実現するためにもっとも大切なことが、よい人間関係を築くことです。その関係性の元になっているのが、人と人との間で悪い感情を抱かないこと。よく「感情のもつれ」とか「感情のわだかまり」などと言いますが、相手に対してよい感情を持てなければ、良好な人間関係を築くことはできません。
そして、感情と密接につながっているのがフィジカル、つまり身体の状態です。文字通り心身ともに健康であることがWell-Beingであり、それがよい人間関係をつくります。心身ともにWell-Beingな人が揃っていることがよい組織であり、そのことが組織としてもっとも大切な「透明資産」になります。
では身体を健康に保つために何をすればよいのか。フィジカルコントロールはいまや現代人にとって最大の関心事であり、さまざまな健康食品や健康グッズが巷に溢れています。しかし身体を健康に保つために、必ずしもお金をかける必要はありません。いちばん大切なことは、良質な睡眠、良質な運動、良質な食べ物を意識的に選択しているかどうかです。
そして、それらを意識的に選択できるかどうかは、自らの身体の状態をよく知っているかにかかっています。そのために不可欠なことは「身体が発する声」に耳を傾けることです。実は人間の身体は、自分が意識しない間にもさまざまなシグナルを発しています。それは、自分の身体の調子のよしあしをどのように判断しているかを考えてみればすぐにわかります。
身体の調子がよいとは、頭が冴えているとか、胃腸の働きがよいとか、筋肉がのびのびとよく動くといったこと。一方で調子が悪いとは、目が疲れている、肩が凝っている、足がむくんでいる、といったことです。それらはすべて、本人が自覚しない間に身体が自然に発しているシグナルなのです。
それらのシグナルはすべて、これまでの行動の結果が生み出すものです。つまり、シグナル一つひとつにすべて理由があるのです。その理由は何かを考えることが、身体のWell-Beingを実現するうえでの第一歩になります。
それは「自分の身体と正面から、かつ正直に向き合うこと」とも言い換えられます。
Well-Beingな「感情」について取り上げた際に、自分の感情と向き合い、仲良くすることが感情をエネルギーに変えるために大切と言いましたが、それとまったく同じことです。
自分の身体と仲良くして、それを味方につけることができれば、そこに大きな幸福感が生まれるのです。
ー勝田耕司
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