「スポーツを通じて社会価値を創造し、いわき市を東北一の都市にする」。
このビジョン実現のために、いわきスポーツクラブは明確なストラテジーを掲げています。それは以下の5つです。
・スポーツファシリティの運営と整備
・地域との一体化
・未来を担う人材の育成
・世界基準のチームビルディング
・「魂の息吹くフットボール」で熱狂空間を創出する
これらはサッカーというスポーツの枠を越えて、あらゆるビジネスを成功に導き、さらには社会を豊かにするために大切なものを示していると思います。そして私は、前回のコラムでもお話した通り、とりわけ外食ビジネスと共通するものを強く感じるのです。
サッカーにおける成功とは何かと聞かれれば、多くの人は「まず試合に勝つこと」と答えるでしょう。では飲食店における成功とは何かと聞かれれば、「繁盛して高い売上げをあげること」あるいは「周囲の飲食店よりも多くのお客様を集めること」という答が多いと思います。そして、それは決して間違いではありません。
ですが、それは成功の一断面に過ぎません。さらにいえば、それだけでは本当に成功したとは言えないのです。大切なことは「何を実現したいのか」という目的です。
サッカークラブの運営、飲食店の経営を通じて実現したいことは何か。何をもって社会に貢献したいのか。これらが明確になっていなければ、サッカークラブも飲食店も社会的な存在意義を失ってしまうと思います。
もちろん、いわきスポーツクラブも一つの試合に勝利することに徹底してこだわっています。しかし勝利それ自体が目的なのではなく、ストラテジーにある「熱狂空間」の創出や、「地域との一体化」を実現するためにこそ、一つの勝利を追い求めているのです。
飲食店の繁盛も同じことが言えます。多くのお客様に喜んでいただけてこそ、スタッフは働く喜びや人生における幸せを感じることができます。繁盛することは、その店が地域になくてはならない存在になった結果です。繁盛それ自体が目的なのではありません。
いわきスポーツクラブが掲げるフィロソフィーと、その実現のためのストラテジーは、あらためて私に「ビジョンを掲げること」の大切さを教えてくれました。
折しもコロナウィルス禍で、あらゆるビジネスがその存在意義を厳しく問われています。いわきスポーツクラブの応援を通して、自分自身のビジネスの目的、さらに言えば人生の目的を常に確認していきたいと思っています。
ー勝田耕司
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