透明資産とは?

スタッフのお店への愛着や強い思い。 それを知っていただける発信に努めよう

これまで本ブログでお話ししてきたように、「透明資産」は、そのお店の本当の強みです。それは同時に、集客のためにもっとも有効に活用すべき資産です。

ところが多くの場合、お店の側が透明資産の存在に気づいていません。ここでいうお店の側とは、経営者やお店の責任者といったマネジメントスタッフのことです。

経営のことに気をとられて数字ばかりを追いかけたり、発想が近視眼的になったりするのはよくあること。その結果、お店の本当の強みを失ってしまったり、強みを消すような手を打ってしまうことがあるものです。

そこで頼りになるのがお店のスタッフです。彼らは日々お客さまと接するなかで、何がお客さまからの評価ポイントになっているかを肌感覚で知っています。接客スタッフだけでなく、厨房で料理をつくるスタッフも同様です。

そういう現場を支える人たちの思いをマネジメントする側も知り、お店の強みをより高めていくような運営のありかたを考える必要があります。それこそ、外食経営でよく言われる「現場第一主義」という言葉の本当の意味です。

外食企業の中で、これを実践している代表的な例が「物語コーポレーション」でしょう。

同社は「社員が自己表現と発信を続けること」を企業理念に掲げ、トップから現場スタッフまで全員が自分の考えを積極的に表明する場を設けています。

その手段はメールであったり社内イベントであったりさまざまですが、これが会社に一体感を生むとともに、持続的な成長の実現につながっています。

そうしたスタッフの思いをお客さまに知っていただくことが、そのまま集客につながります。それこそ透明資産マーケティングの目的ですが、それにはSNSによる発信が有効です。

スタッフに自分の店の魅力を発信してもらい、それに共感するお客さまを増やしていくのです。メーカーなど他産業ではすでに取り組みが進んでおり、これを人事評価に生かす動きもあります。

強いお店の共通点は、スタッフがお店に愛着を持っていることであり、商品やサービスをより多くのお客さまに届けたいという強い思いを持っていることです。

それをお客さまに知っていただくことこそ、透明資産マーケティングの本質です。

外食でも徐々に、そうした本来あるべきSNS発信の取り組みが出てきました。これから本ブログで、そうした動きをお伝えしていきたいと思います。

ー勝田耕司

関連記事

  1. 透明資産とは?

    自助、共助、公助がチームの勝利に不可欠。スタートは「個人の透明資産」を磨くこと

    新型コロナウィルス禍の真っ最中だった2020年夏、当時の菅義偉首相が自…

  2. 透明資産とは?

    これから迎えるwithコロナの時代こそ透明資産の本当の価値が問われる

    前回このコラムで取り上げた「餃子の王将」のように、2019年対比、つま…

  3. サスティナブル

    人類共通の課題になりつつあるフードロス。

    〜人類共通の課題になりつつあるフードロス。“元凶”とされてきたコン…

  4. 透明資産とは?

    「トリキバーガー」の高い完成度は鳥貴族ならではの透明資産が生んだ

    一般社団法人 日本フードサービス協会が毎月発表している「外食産業市場動…

  5. 透明資産とは?

    輸出急増で「SAKE」へと進化した日本酒。ストーリーこそ世界が認めるブランドの源泉

    全国の約1700の酒蔵が加盟している日本酒造組合連合会の発表によれば、…

  6. 透明資産とは?

    飲食店を救うのは「キラーメニュー」。 いまこそ、その大切さを再認識しよう

    私は常々「店の透明資産を磨く」ことの大切さを提唱しています。…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. SDGs

    食産業にも求められる「サスティナビリティ」
  2. 透明資産とは?

    業態発想という透明資産が生み出した テンアライドの新業態「てんぐ大ホール」
  3. ゲコノミ

    これからは「ゲコノミ二ケーション」の時代。 飲食店こそが、その担い手になるべき…
  4. 透明資産とは?

    鳥貴族の新業態「トリキバーガー」に 感じる、この会社ならではの透明資産
  5. 透明資産とは?

    マクドナルドが訴える特別な体験=透明資産。それを磨くことが値上げのための必要条件…
PAGE TOP