新型コロナウィルス禍の真っ最中だった2020年夏、当時の菅義偉首相が自らの政策理念として「自助、共助、公助が大切だ」と発言し、野党から猛批判を浴びました。
誰かの助けを待ったり公的な補助をあてにする前に、まずは自助努力をせよという意味に捉えられ、政府の役割を放棄するのかと攻撃されたわけですが、これは野党の言い分が間違っています。
そもそも自助、共助、公助という考え方はさまざまな分野で、非常に大切なこととして浸透しています。
たとえば防災では、まずは自助、つまり自分自身(家族も含む)の身の安全を守ることが大切です。その次に地域やコミュニティといった周囲の人々が協力して助け合い、その上で市町村や消防、警察、大規模災害の場合は自衛隊といった公的機関による救助や援助が行なわれます。
自助、共助、公助の3つが揃い、それぞれが有効に機能してこそ被害の拡大を防ぐことができるのです。
菅前首相は口下手で表情にも乏しく、コロナの感染拡大もあって低支持率が続き早期の退陣を余儀なくされましたが、政策に関しては一貫した理念がありました。
とくに自助、共助、公助が大切というのはその通りであり、コロナ禍に立ち向かうリーダーに必要な考え方だったと思います。そして、これからコロナ禍からの復活をめざすうえでも、自助、共助、公助の3つが揃うことが必要です。
なぜなら、これは前回のコラムでもお話しした「チームで戦う」ために不可欠だからです。チームで勝利を収めるためにまず必要になるのは、チームを構成する一人ひとりが「自分自身に何ができるか。何をすればチームに貢献できるのか」を考え、実行することです。
そういう集団であれば自然と、お互いが助け合ったり、足りない部分を補い合うようになります。自助が共助につながるのです。
そうではなく「自分がやらなくても、誰かがやってくれる」「自分は悪くない。勝てないのはあいつのせいだ」と考える人ばかりでは、共助にならないばかりか足の引っ張り合いになってしまいます。
これではチームとして勝てませんし、そういうチームを応援する人もいません。応援、すなわち公助も期待できないことになります。
まずは自助、つまり自分自身が何をすべきかを明確にし、その達成に向けて全力で取り組みましょう。それこそが人生におけるミッションであり、いわば「個人の透明資産」です。
チームを構成する一人ひとりが自らの透明資産を磨き、充実した日々を過ごしてこそ「チームの勝利」という価値ある透明資産を得ることができます。
「チームの勝利」とそのプロセスは、、、昨年、サッカーワールドカップでサッカー日本代表チームが、今月はWBCで野球日本代表チームが魅せてくれました。
コロナ禍からの復活をめざすためには、こうした考え方こそが、あらゆるビジネス分野において必要不可欠になるはずです。
ー勝田耕司
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