【透明資産を見つけよう】「大谷翔平とドジャースに学ぶ──空気感を勝ち癖に変える透明資産経営」
ロサンゼルス・ドジャースが、二年連続でワールドシリーズを制覇した。
その中心にいたのは、やはりこの男──大谷翔平。
手術明けのシーズンを経て、打者として全試合に出場し、チームの頂点を支えた。
彼が放つ打球の力強さ、走塁の速さ、笑顔で仲間とハイタッチを交わす姿。
すべてが、見ている人の心を熱くする。
だが、私はこのニュースを見ながら思った。
「勝った理由は、技術や戦略だけじゃない。
ドジャースというチームの“空気”そのものが、勝利を引き寄せている」と。
―勝てる空気を意図的につくる、それが透明資産経営。
透明資産とは、見えないけれど確実に企業価値を支える空気の資産のことだ。
理念、文化、信頼、安心感、笑顔、絆──目に見えないが、
確実に成果や人の行動を左右する要素。
ドジャースを見ていると、まさにこの空気のデザイン設計が意図的に徹底されている。
大谷翔平が移籍した初日、クラブハウスには「大谷が主役」というムードはなかった。
スターが来たからといって、他の選手が萎縮するような空気でもない。
みんなが自然体で、同じ方向を見ている。
「勝つ」という明確な目的に向かって、誰もが自分の役割を理解し、尊重し合っているんだ。
この目的共有の空気こそ、企業でいえば理念の浸透状態だ。
理念を壁に貼ることではなく、
それを「感じられる」状態にすること。
ここが透明資産経営の第一歩である。
―「夢が人生をつくる」、意図を空気に変えるリーダーの力。
大谷翔平はこう語る。
「人生が夢をつくるんじゃない。夢が人生をつくるんだ。」
この言葉には、リーダーとしての在り方が詰まっている。
彼の夢は、個人の成績ではなく「野球という競技を通じて人々を元気にすること」。
この夢の意図が、彼の一挙手一投足に染み込み、周囲の空気を変えている。
リーダーが何を言うかより、
どんな意図で存在しているかが空気を決める。
それは経営でもまったく同じだ。
理念を掲げても、社長自身が日々の言葉や表情でその意図を体現していなければ、社員は「会社の本気」を感じ取れない。
空気は言葉ではなく振る舞いで伝わる。
ドジャースのクラブハウスに流れるポジティブな張りつめ感は、リーダーたちの意図が一貫しているからこそ生まれている。
―「遠回りが一番の近道」、見えない努力が空気を育てる。
大谷の代名詞ともいえる言葉がある。
「毎日コツコツ努力することが、遠回りに見えて一番の近道。」
この言葉は、企業組織にもそのまま当てはまる。
組織の成長もまた、派手な改革や一発逆転の戦略ではなく、「小さな努力の積み重ね」が空気を変える。
ドジャースでは、どんなスター選手でもグラウンド整備を手伝う。
ベンチ裏では、若手が率先して道具を片付ける。
基本を疎かにしない文化が、チーム全体の呼吸を整えている。
これが企業でいう「行動規範」や「当たり前の徹底」だ。
例えば、
・朝の挨拶を全員が笑顔で交わす
・約束の時間を1分でも守る
・感謝の言葉を口に出す
たったこれだけで、社内の空気は変わる。
誰でもできることを、誰もやらないくらい続ける。
この“地味な継続”こそ、透明資産を育てる最大の投資である。
―楽しんでやらないといいパフォーマンスはできない、これこそ透明資産経営の源泉。
もう一つの大谷の名言がある。
「楽しんでやらないと、いいパフォーマンスはできない。」
ドジャースが強い理由のひとつに、「楽しんでいる空気」がある。
試合前のロッカーには、音楽が流れ、選手同士の笑い声が絶えない。
それは“緩み”ではなく、“信頼の証”だ。
心理学的に見ても、脳が「楽しさ」を感じているとき、
ドーパミンが分泌され、創造性と集中力が最大化される。
つまり、楽しむことは“能力を発揮する仕組み”でもある。
経営でも同じなんだ。
数字やノルマだけで動く組織は、短期的には成果が出ても、中長期では必ず「空気の疲弊」が起こる。
社員が仕事を“やらされている”と感じた瞬間、空気は重くなる。
一方で、「やりたい」「成長したい」と思える空気をつくれば、自発性と創意工夫が生まれ、結果として生産性が上がる。
楽しんでやるは、単なる感情論ではなく、経営の生産性設計そのものなのだ。
―「基本を極める」、透明資産の源泉は原点の徹底にある。
大谷が常に大切にしているのが「基礎技術」だ。
彼はこう言う。
「どんなにスーパースターでも、キャッチボールをおろそかにしてはいけない。」
それは、経営でもまったく同じだ。
会社にとってのキャッチボールとは何か?
・お客様との挨拶
・社員同士の報告・連絡・相談
・毎日の清掃
・小さな感謝の共有
こうした一見当たり前の行動が、組織の信頼を積み上げていく。
それを怠ると、業績以前に「空気の乱れ」が生まれる。
ドジャースのクラブハウスが常に整然としているのも、その「原点を徹底する文化」が根付いているからだ。
彼らは勝つ前に整える。
だから、勝ったあとも崩れない。
透明資産経営も同じ。
「基礎が整った空気」は、好不況に左右されない安定経営を生む。
それは、社員の信頼残高であり、企業文化という見えない資産の累積だ。
―透明資産の法則、空気は「習慣×意図」でできている。
大谷翔平の行動を観察していると、彼の「空気づくり」には二つの要素がある。
ひとつは「習慣」。
もうひとつは「意図」だ。
たとえば、
彼が毎朝同じ時間に球場入りし、ルーティンを淡々とこなす姿。
それは単なる癖ではない。
「自分の最高の状態をつくるために、空気を整える」明確な意図がある。
企業もまったく同じ構造だ。
毎朝の朝礼や会議、報告文化、それらを何のためにやるか?が共有されているか。
形骸化していれば空気は重くなる。
意図が通っていれば、同じ行為でもエネルギーが生まれる。
「意図のある習慣」こそ、透明資産を増やす黄金律である。
―静かな自信が流れる組織は強い
ドジャースのベンチを見ていると、
派手なガッツポーズよりも、
静かに仲間と拳を合わせる姿が印象的だ。
勝っても驕らず、負けても動じない。
その空気に、私は透明資産経営の成熟度を感じる。
経営でも、同じような会社がある。
数字を出しても浮かれない。
トラブルが起きても慌てない。
社員が淡々と、しかし確実に、前を向いている。
そこには「信頼の空気」が流れている。
それは、社長の一言やビジョンの力ではない。
日々の積み重ねの中で生まれる静かな自信だ。
組織がこの状態に達すると、社員同士が互いを支え合い、自然に挑戦と改善が循環するようになる。
まさに空気が経営している状態だ。
―透明資産経営の本質、「勝ち癖」は空気から生まれる。
大谷翔平という存在を通じて、私たちは学ぶことができる。
成果とは、技術の結果ではなく“空気の結果”であるということを。
・努力を楽しみに変える
・基本を徹底し続ける
・目的を共有する
・静かな自信を保つ
この積み重ねが「勝ち癖」という見えない文化を生み出す。
そしてそれこそが、業績を支える“透明資産”の正体だ。
企業の業績も、社員の成長も、顧客の信頼も、すべては空気の質に比例する。
大谷翔平のように、日々の当たり前を極め、
楽しみながら意図的に空気を整えることができれば、
どんな企業も、どんなチームも、必ず強くなる。
―最後に、「夢が空気を変える」
ある少年はおくった手紙にあった、大谷翔平のメッセージ。
私はそれを、経営者にもそのまま贈りたい。
「人生が夢をつくるんじゃない。夢が人生をつくるんだ。」
社長がどんな夢を掲げるかで、会社の空気は変わる。
その夢が、社員の行動を変え、顧客の心を動かし、社会に信頼を生む。
つまり、「夢の設計」こそが透明資産の設計である。
業績とは、見えない空気の見える化に過ぎない。
その空気の源泉にあるのは、社長自身の意図と習慣、そして夢だ。
大谷翔平が、野球を通じて世界に夢の空気を広げているように、
私たちもまた、経営という舞台で
空気をデザインするリーダーとして生きていきたい。
〈今日の『透明資産』質問〉
あなたの会社には、どんな「夢の空気」が流れていますか?
その空気を社員が感じられるように、今日からできる一歩は何ですか?
―勝田耕司/企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタント
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。












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