〜コロナウィルスによる社会不安が続く中で
注目される「ワタミの宅食」の食事支援策〜
コロナウィルス禍の影響が
拡大を続けています。
開催中の大相撲春場所が無観客、
そしてセンバツ高校野球は中止が決定しました。
プロ野球をはじめさまざまなイベントが
延期もしくは休止に追い込まれました。
突然発表された小中高校の休校要請以降、
日本社会は完全に自粛モードに入っています。
経済の停滞はもちろんのこと、
日常生活の様相が変わってしまった観があります。
外食市場を見てみますと、、、
銀座、北新地という夜の接客業態は、
売上50%減
外国人のお客様多かった飲食店は、
売上30〜50%減
イオンなど商業施設の飲食店は、
売上20〜30%減
飲食店をメインに取引する酒販店は、
売上30〜40%減
一方で、
家族をメイン客層にするラーメン店など食事業態は、
売上90〜110%
固定客や1人客の多い立ち飲み屋さんや
小規模のお店、高級店などは、大きな影響を受けていない。
こんな感じです。
そうしたなかで、
外食大手のワタミの試みが注目されています。
小中高校の休校要請を受けて、
日替わり夕食宅配の「ワタミの宅食」で
子供を対象に商品代無料で弁当を届ける
施策をスタートしました。
共働き世帯など、
休校で在宅している子供に食事を用意するのが難しい
こんな状況になっているのを受けての
緊急支援策です。
休校措置対象の幼稚園、小学校、中学校、高校に
通う子供が対象で、
諸経費として配送にかかる費用(配送1回当たり200円)のみ
負担してもらうという形です。
この試みは大反響を呼びました。
3月2日に全国2ヵ所の「ワタミの宅食」受付センター
および本社の臨時受付センターで受付を開始しましたが、
問合せの電話が2日間で
累計400万件に達したといいます。
申込みが生産能力の上限である
50万食に達したため受付はすでに終了し、
3月9日から配送がはじまりました。
さらにワタミの宅食では3月16日から、
子育て世帯を対象に緊急の「子育て家族割」をスタート。
子育て中の家庭で、2食以上を注文した場合は
対象商品をすべて1食390円の割引価格
(主力商品の「まごころおかず」の場合1食当たり186円引き)
で提供するというものです。
緊急支援策の問合せを受ける中で、子供だけでなく親の食事も
注文したいという声が多く寄せられたためで、
この割引サービスは
4月20日まで実施する予定です。
これは外食の社会貢献のありかたとして
注目すべき試みだと思います。
ワタミの宅食はもともと高齢者世帯への
食事支援を目的にはじまった事業で、
急速に進む高齢化に対応すべく
全国に配送網を築いてきましたが、
それが今回の緊急事態において
大きな役割を果たすことになりました。
ワタミの宅食にとって
新しい顧客層を開拓することにつながると同時に、
これらの試みが
ブランドの価値を高めるのは間違いないでしょう。
外食には社会を明るく、
元気にする役割がありますが、
今回のコロナウィルス禍は、
その役割をどれだけ果たすことができるかが
試される機会ともいえます。
いかに社会にとって必要な存在になれるかが、
すべての外食に問われています。
ー勝田耕司
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