〜コロナウィルス禍がもたらした社会不安。
外食が果たすべき貢献は、店を開け続けること〜
コロナウィルスの感染拡大が
社会に大きな不安をもたらしています。
小中高校の休校や
大規模イベントの休止などによって
人とモノの流れが停滞し、
消費に急ブレーキがかかりました。
消費者直結の産業である外食ビジネスにとって、
過去に例のない厳しい状況といえるでしょう。
これは同時に、
社会のサスティナビリティ(Sustainability=持続可能性)について
警鐘を鳴らす出来事といえます。
この未曾有の事態にあたって、
あらゆる産業が「社会に対して何ができるか」を
シビアに問われています。
食を提供する場として、
衛生環境を万全に整えるのは当然のことです。
感染拡大を防ぐ基本にして最も効果的な対策である
「正しい手洗い」の方法が広く認知されるようになりましたが、
これは食品衛生法が定める
「一般衛生管理」の最重要事項に挙げられている
飲食店にとっての“憲法”でもあります。
お店の全スタッフが正しい手洗いを励行するとともに、
お客さまに対しても衛生管理の徹底を呼び掛けましょう。
食のプロとして、
飲食店は安全な食のありかたを
啓蒙する役割を果たすべきです。
これは飲食店が守るべきQSCのひとつである
C(Cleanliness)を徹底することですが、
それだけにとどまるものではありません。
大きな社会不安が起こっているなかで、
安全な食を提供する場として認知されることは間違いなく
お店の信頼性につながります。
お客さまからの信頼こそ、
お店にとって最大の「透明資産」です。
いま外食ビジネスがやるべきことは、
お客さまを迎える体制をしっかりと整えたうえで、
店を開け続けることです。
厳しい状況ですが、
それこそが持続的成長につながる
唯一の道だと思います。
振り返ってみれば、
過去に大災害が起こった時にも、
日々の生活を維持していくうえで
飲食店は大きな役割を果たしました。
いまから25年前の阪神・淡路大震災では、
被災者への炊き出しを大手外食チェーンが担いました。
牛丼大手の吉野家は、
地震発生3日後には大阪の店舗を活用して
牛丼弁当の製造を開始し、
被災地にピストン輸送しています。
まだ記憶に新しい東日本大震災でも、
外食の活躍ぶりは目覚ましいものがありました。
大衆食堂チェーンの半田屋は、
地震発生翌日には仙台市内の店舗を営業再開。
被災者に温かい食事を提供し、
心身の健康に貢献しています。
こうした活動は確実に、
その後のチェーンのブランド力を高めることに
つながっています。
外食は社会を元気にする役割を担っている。
そのことに誇りを持ち、
前を向いて進んでいきましょう。
ー勝田耕司
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