コロナウィルス禍がもたらした生活の変化のひとつに、人々の行動が“前倒し”になっていることがあります。
朝早く活動をはじめ、夜は早めに帰宅する。そうした変化の結果、居酒屋などディナー帯を主力とする外食の業態が苦戦を強いられてもいるわけですが、健康な生活をおくるということでいえば望ましい変化と言えます。そして、その傾向はこれからも変わることはないでしょう。
こうした変化を踏まえて、これから外食マーケットとして注目したいのが「朝食」です。
この分野で先行しているチェーンといえば、なんといっても「マクドナルド」でしょう。朝食メニューのジャンル名である「朝マック」は、マクドナルドで朝食をとることを意味する言葉として消費者の間に定着しています。
その要因は、外食チェーンの中で群を抜く朝食メニューの品揃えです。定番である「エッグマックマフィン」や「ソーセージマフィン」などのハンバーガーから、パンケーキやサラダなどサイドメニュー、それらを組み合わせたコンビメニューなど、メニュー数は実に40にのぼります。
バリューセットだけでも13種類あり。価格帯は350~730円。これは、朝食という時間帯でさまざまな利用動機、ライフスタイルへの対応をめざしているためです。お客様のニーズに寄り添うというマクドナルドの企業姿勢の表れであり、このことが顧客からの信頼という、マクドナルドの最大の透明資産を生み出しています。
新たに朝食に取り組んでいるチェーンの中では、ハンバーグレストランの「びっくりドンキー」が注目されます。朝食時間帯限定のメニューとして提供している「ミニマムバーグディッシュ」は、レギュラーメニューの定番であるハンバーグディッシュをミニサイズにしたもの。
小ポーションのハンバーグ、ごはん、サラダが一皿に盛り込まれていますが、びっくりドンキーならではのクオリティです。とくにごはんの品質の高さは、自社工場で精米から行なっているだけあり、さすがと思わせるもの。
具沢山の味噌汁も、朝食として食べるとさらに味わいが増すように感じられます。他にもトーストとサラダ、コーヒーのセットがありますが、これらも一切手抜きがありません。
品質に定評があるコーヒーは、自家焙煎ならではの香り高さで、まさに1日のスタートとして好適な一杯です。
主力であるハンバーグはもちろん、サイドメニューなど細部に至るまで品質に妥協しない。これがびっくりドンキーの企業姿勢であり、それが独自の透明資産を生んでいます。
朝食という、もっとも日常生活に密着したマーケットで支持を得るには、顧客からの信頼が不可欠。そして、透明資産こそがその信頼を生むのです。
ー勝田耕司
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