透明資産とは?

感情を前に進むエネルギーに変えると それがかけがえのない透明資産になる

感情を前に進むエネルギーに変えると
それがかけがえのない透明資産になる

人間は「感情の動物」です。感情とは、心地よさや不快感、喜びや悲しみ、怒りや悔しさなどを感じること。こうした感情はもちろん他の動物にもありますが、人間はとりわけそれが豊かで、かつ感情表現も多彩です。さまざまな感情を持ち、それが行動に大きく影響することが人間ならではの特徴といえます。

そして、その感情は幸福感、すなわち「Well-Being」であることと大きく関係しています。心地よい、嬉しい、楽しいといった感情はストレートに幸福感と結びつきますが、もっと大切なことは「自分の感情を素直に表せる」ことです。

ところが多くの組織では、そうなっていないことが多いのです。自分が感じていることを表現できないだけでなく、それを押し殺してしまう。よく「感情に蓋をする」といいますが、無意識のうちにそういう行動をとっている人は多いのではないでしょうか。

これは特定の個人に限ったことではなく、日本人の特性でもあります。よく外国人が「日本には“とりあえず謝る”文化がある」などと言いますが、それはある意味で日本人をよく表している言葉です。組織の中で波風を立てないために、自分の感情を抑えて場をやり過ごした経験は、多くの人が持っているはずです。

それがひいては「自分の感情をストレートに表さないことが美徳である」という意識につながっています。でもそれは、われわれが感情に対して非常に敏感であることの裏返しなのです。相手の感情を慮るからこそ、自分の感情を後回しにしてしまう。それによって物事を円滑に進めようと考えているわけです。

しかしここで、大きな疑問があります。そこに「幸福感」はあるでしょうか。それは果たしてWell-Beingな状態でしょうか。

本当はこう感じているのに、それを感情として表現できない。そこにあるのは「自己の不一致」です。いわば自分の中で矛盾を抱えているわけですから、これはWell-Beingとは言えません。

大事なことは、自分の中で生まれた感情を前に進むエネルギーに変えることです。それには、自分の感情を本当の意味でよく知ることです。喜びや怒り、自信や不安といった感情を、なぜその感情が生まれたのか、その感情はどういう願望の表れなのかを深く内省する。それを続けることで、特定の感情へのこだわりがなくなり、どんな感情も自分にとって有益なものと感じられるようになります。

その結果、あらゆる感情が自分にとってかけがえのない「透明資産」になっていきます。なぜなら感じることすべてが、ポジティブな思考や行動へとつながっていくからです。

ー勝田耕司

関連記事

  1. 透明資産とは?

    コロナ禍で輝きを増すラーメンチェーン。その強さは商品を磨き続ける姿勢にある

    前回お話しした「この一品」を磨くことの大切さは、あらゆる外食ビジネスに…

  2. 透明資産とは?

    【透明資産を見つけよう】「大谷翔平とドジャースに学ぶ──空気感を勝ち癖に変える透明資産経営」

    【透明資産を見つけよう】「大谷翔平とドジャースに学ぶ──空気感を勝ち癖…

  3. 透明資産とは?

    7年前から取り組んだ顧客との信頼関係構築が 「餃子の王将」にとって最大の透明資産になった

    ブランドというと何か高級品のようなイメージを持つ人が多いのですが、本当…

  4. 透明資産とは?

    本年もお世話になりました。

    2021年は本日大晦日、最終日となりました。多くの人たちが、新…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 透明資産とは?

    【透明資産を見つけよう】透明資産経営の生命線~『情報局』による情報環流が顧客の心…
  2. 透明資産とは?

    インバウンド客にぜひとも知ってほしい日本の食を支えるご当地外食チェーン
  3. 透明資産とは?

    外食をとりまくすべての人々と連携してゲコノミニケーションの実践に取り組もう
  4. 透明資産とは?

    【透明資産を見つけよう】スーパーマーケット経営で抑えるべき透明資産経営の5つのポ…
  5. 透明資産とは?

    2023年は外食にとって再スタートの年。透明資産の価値こそが、その鍵を握る
PAGE TOP