感情を深く知り、感情と仲良くする。
そういう人の集まりが幸福感を生む
自分の感情を透明資産へと変えていくために不可欠なのは「感情をよく知る」ことです。
それは感情の裏にある自分自身のニーズを知ることでもあります。なぜなら、感情は「こうしたい」という思いの結果として生まれるものだからです。
喜びや楽しさ、不安や怒りなどの感情が自分の中に生まれた時、それがどのような経験によるものだったかを思い出す。その感情が生まれたきっかけや、その時に自分の身体にどのような反応が出たかを記憶しておく。
そして、その感情の背景にある自分のニーズ(何をしたいか、どうありたいか)を突き詰めて考える。これが、自分の感情を深く知るために不可欠な作業です。
人はよく、自分の中に生まれた感情をごまかしてしまいます。ごまかすために何をするかといえば、ようは“気晴らし”です。おいしいものを食べに行ったり、普段は見ない自然の景色を見に行ったり。
運動をする、寝たいだけ寝る、という人もいるでしょう。でもそれは一時的に感情を和らげることになっても、根本的な解決にはなりません。嫌な感情が自分の中に生まれた時、また同じような方法で憂さ晴らしをすることになります。
大事なことは、どうしてその感情が生まれたかを知り、それをコントロールすることです。とくに大切なのは、その感情のもとになっている自分のニーズを知ること。たとえば、怒りや苛立ちといったネガティブな感情が生まれた時。
その感情が生まれたのは、自分の中に「周囲から大切にされたい」「自分の時間を無駄にしたくない」といったニーズがあり、それが満たされなかった時です。
逆に喜びや嬉しさなどポジティブな感情が生まれた時は、自己実現や満足を得たいといったニーズが満たされた時だったはずです。
そのように感情を自分自身のニーズと紐づけて整理することによって、感情をコントロールできる。さらにいえば「感情と仲良くする」ことができるようになります。仲良くするとは感情を味方につけること。
つまり、感情をエネルギーに変えることです。整理した感情の中から、よりエネルギーが沸く感情を意図的に選択することで、ポジティブな考えや行動ができるようになります。
これがまさしく「Well-Being」な状態であり、それを続けていくことによって幸福感が得られます。感情と仲良くできる人が揃っていれば、その組織には密接なコミュニケーションが生まれ、人々の思いは一つになります。その思いこそ透明資産です。
感情という、自然に生まれるものの中にも大きなエネルギーがあり、それが透明資産をつくっていくのです。
ー勝田耕司
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