2022年が終わろうとしています。
新型コロナウィルス禍はなかなか終息せず、感染防止対策に追われる1年になりました。
外食業界もその影響を受け、とくに居酒屋などアルコール主体の業態は勢いを取り戻せないままです。さらに2月からはじまったロシアによるウクライナ侵攻という暴挙は、世界各国の国家防衛に対する考え方を大きく変えてしまいました。
同時に引き起こされたエネルギー危機の影響は、さまざまなモノの価格高騰となって表れています。
日本はバブル経済の崩壊以降30年にわたってデフレ経済が続いてきました。2022年は、そのデフレから脱却する歴史的な年になったと言われています。
確かに春以降、値上げに関するニュースを聞かない日はないほどに、あらゆるモノの価格が上がっています。外食業界においても同様で、大手チェーンにも値上げの波が広がり、1年の間に複数回の値上げを余儀なくされるところが出ています。
その中にはマクドナルドや餃子の王将、CoCo壱番屋など、そのジャンルで圧倒的なシェアを誇るチェーンも含まれています。こうした大チェーンは当然、さまざまな情報網をフル活用しながら将来を見越した対策を打っているはずですが、それでも先が見通せないほどに不透明かつ深刻な物価高騰が続いているということです。
こうした状況は残念ながら、2023年も変わることはないでしょう。
2022年後半から再びコロナの感染拡大が続いていますが、多くの人々はそれほど行動を制限していません。時代はやっと“Withコロナ”に向けて動きはじめようとしているということです。
それは間違いなく外食業界にとって望ましいことですが、同時に起こっている物価高騰の波は消費意欲を低下させます。
実際に消費者は、スーパーマーケットで買う食品の量を少なくしたり、外食の回数を減らしたりといった生活防衛に向かっています。
人々の動きは活発になっても、そこでの消費は盛り上がりを欠いている。いわば「アクセルとブレーキを同時に踏む」ような状況になっていると言えます。
この状況にどう立ち向かい、お客様の支持を得ていくか。それが2023年の外食業界にとって最重要テーマになるでしょう。
不可欠なのは、再来店してくださるお客様、すなわちリピーターの大切さをあらためて認識することです。
多くの飲食店は、休業後に店を再開してお客様をお迎えした時、お客様の笑顔や楽しそうな食事の様子を見て、心から「このビジネスをやっていてよかった」と思ったはずです。
そして、自らの透明資産の価値を再認識したことでしょう。
その想いこそがビジネスの原点、いわば“初心”です。2022年を初心に立ち帰る年として、これからも透明資産を磨き続けましょう。
ー勝田耕司
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