新しい年、2023年がスタートしました。
いまだ収まらない新型コロナウィルスの感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した安全面の危機、諸物価の高騰と、経営環境は引き続き厳しいことが予想されます。
しかし一方で、時代は確実にWithコロナへと向かい、年末年始は全国的に人の流れが活発になりました。実に3年ぶりに見る活況に、日常を取り戻すことの大切さを実感させられます。
外食業界はこの3年間、コロナ禍に痛めつけられてきました。
ファストフードなどテイクアウト需要拡大の恩恵を受けた業態もありますが、多くの店や企業は外出自粛の影響を受けて苦戦を強いられました。
とくにアルコール主力の業態は、「酒を提供する場が感染拡大の元凶」といった謂れのない(=エビデンスのない)風説にさらされ、まさに未曾有の苦境に立たされました。多くの店が閉店や廃業に追い込まれ、居酒屋マーケットは3年間で急速に縮小しました。
しかし、その苦境をなんとか乗りきった店や企業は、これから間違いなくチャンスの時期を迎えます。再び居酒屋に足を運んだお客様は、おいしいお酒や料理を楽しむのはもちろん、その活気溢れる雰囲気に触れて、あらためて外食の楽しさを実感したはず。
それは居酒屋だけでなく、あらゆる外食の業種業態において共通です。お客様にとっても、2023年は外食を楽しむ再スタートの年なのです。
とはいえ、あらゆるモノの価格が高騰しているなか、外食にかけられるお金は限られます。普段の外食支出は控えて週末などにしっかりお金を使う、特別な機会に大切な人と豪華な外食をするといった“集中化”の傾向はより強くなるでしょう。そして、頻度が減ったぶん、一回の外食で大きな満足を得たいと考えるはずです。
その満足度を提供するための決め手は、外食ならではのハイレベルなQSCです。
その店の看板商品をはじめとして、家庭では決して味わえない料理のクオリティ。ホスピタリティ溢れる気づきのよい、そして気持ちのよいサービス。クレンリネスのゆきとどいた清潔な、居心地のよい空間。それらが総合されて生まれるのが“外食ならでは”の価値であり、お客様が求めているものです。
それを実現したお店は、お客様にあらためて「この店があってよかった」と思っていただける。そこで生まれるストア・ロイヤリティ(お客様のお店に対する信頼)こそが、もっとも大切な透明資産なのです。
2023年を外食にとっての再スタートの年とするためには、あらゆる店や企業が透明資産の大切さをあらためて認識し、資産を磨き、資産価値を高めていかなければなりません。そのための具体的な取り組みを、本コラムを通じてお伝えしていきたいと思います。
ー勝田耕司
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