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リソースとは誰もが持っているものであり 人類が進化の過程で獲得した「透明資産」

仕事や生活における「目標」と、人生の「目的」をつなげること。それがWell-Beingであること、すなわち幸福感を得るための最大のポイントであるとお話ししました。

そうしたWELL的目標達成のために欠かせないのが、自分自身のリソース(自分の知識や個性、持っている人脈など)を活かすことです。「自分はたいした人間ではないから、活かせるリソースなどない」と思う人が多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。

人は誰でも、その人ならではのリソースを持っています。そのリソースとは、大きく2つに分けられます。

ひとつは「内部リソース」。自分が持っているものであり、個性や能力といったことです。なんでもスピ―ディにこなしたり、逆にゆっくりだけど着実だったり。細かい作業が好き、字がきれい、料理が得意、など人によってさまざまな内部リソースがあります。

もうひとつは「外部リソース」です。これは人脈であり、自分以外の人の能力を借りること。なにも社会的地位のある人とつながりがあるといったことに限りません。内部リソースで挙げた通り、人にはさまざまな個性や能力があります。

実行力のある人、交渉力のある人、物事を着実に進めたり細かい作業をすることが得意な人の能力を借りて、自分の内部リソースとつなげればよいのです。

これはつまり「お互いに助け合う」こと。それは目標達成に有効であると同時に、Well-Beingになるためにも不可欠なのです。なぜなら、人はもともと人を助けるように生まれてくるからです。

マックス・プランク進化人類学研究所の所長、マイケル・トマセロ博士による興味深い研究があります。生後14ヵ月の幼児24人を、血縁がなく会ったこともない大人と対面させたところ、そのうち22人が“自然に”援助行為をしたというのです。

大人がちょっとした問題に直面していると、幼児はその問題解決を援助する。手がふさがっている時に扉を開けてあげたり、手の届かないところにあるモノを取ってあげるなど。

援助の大切さを教えられる年齢には至っていないし、それによって誉められたり何か報酬を与えられるわけでもないのに、自然に「助ける」という行動をとるのです。

他にも、相互協力をして解決した時のほうが、報酬を感じる脳の線状体の活動が高まるという研究結果もあります。人にとっては、まさに助けることがWell-Beingに直結しているのです。

こう考えると、リソースとは人類が進化の過程で獲得した最大の「透明資産」と言えるかもしれません。

そのように自分自身のリソースを捉えなおすことが、幸福感を得るための第一歩になります。

ー勝田耕司

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