「Well-Being」になるための絶対条件である「よい人間関係」。それを築くうえでのスタートは「一対一」のよい関係をつくることです。なぜなら、それが人間関係の基本だからです。
そして、その関係性は「対等なもの」であるべきです。「フィフティ・フィフティ(50%対50%)という言葉がありますが、人間関係とはまさにそうで、人間とは本来は対等に人間関係をつくっているものです。
ところが現実には、仕事の役職とか権威といった要素が入ってくるので、その関係性が複雑になっていくのです。
一対一の人間関係の延長線上にあるのが集団の人間関係です。本来はここでも、人間関係を対等に保ちながら、その数を増やしていくべきものです。ところが集団になると、それぞれの人間関係や一人ひとりの個性が影響を及ぼします。これが関係性をさらに複雑にしていくのですが、だからこそおもしろいともいえます。
集団の中でよい人間関係をつくっていくためには、まず「良好な人間関係を築けているのはどのような時か(または誰と、か)」「人間関係を築くのが難しいと感じるのはどのような時か(または誰と、か)」を自分の中で明確にする必要があります。
そうして自分自身の人間関係についての意識レベルを把握したうえで、次の3つのことを実践していきます。
①自分が何を求めているのかを知る(他の人がそれを与えたくなるような人になる)
②相手が何を求めているのかを知る(願望、価値観、信念、ルール、恐怖など)
③相手が本当に求めているものを与える(相手に快感を与える方法を見つけることを習慣にする)
ここで大切なのは、「自らを知る」のがスタートであることです。人間関係というとどうしても、相手がどう思うか、それに対してどう思い行動するかをまず問題にしがちです。
しかしWell-Beingの考え方に立てば、出発点は「自分自身がどうありたいか」でなければなりません。なぜなら自らがWell-Beingすなわち幸福でなければ、関係を持つ相手に幸福感を与えることはできないからです。
そのためのスタートが、自分自身の意識レベルを正しく認識することです。それができて初めて、関係を持つ相手の意識レベルも理解でき、その人のニーズを満たす行動ができるようになります。
「こうありたい」と思う人間関係をつくるために、まず自分自身を「こうありたい」思えるものにしていく。その結果として得られる幸福感こそ、組織にとって最大の「透明資産」になります。
ー勝田耕司
この記事へのコメントはありません。