前回お話ししたように、身体の「Well-Being」を実現するうえでの第一歩は、自分の身体と仲良くすることです。では仲良くするために必要なことは何か。それは、人間関係において必要なことは何かを考えてみればすぐにわかります。
もっとも必要で、かつ大切なことは「自分の身体をよく知ること」です。人と仲良くできるかは、相手のことをよく知っているかどうかにかかっているでしょう。それとまったく同じことです。
自分の身体を知るには、身体がWell-Beingになるために必要な要素は何かを知らなければなりません。それは「運動」「食事」「睡眠」の3つです。
これは幸福学や、生産性を高めるための数々の研究からも明らかになっています。そして、この3つが満ち足りているかどうかによって、身体が発する「声」が変わってくるのです。
運動によって脳が活性化しパフォーマンスは確実に高まります。食事の大切さは言うまでもないでしょう。人間の身体は食べたものによってできているわけですし、それが代謝に直接的にかかわってきます。
人間の細胞は2ヵ月ですべて生まれ変わるとされていますが、それがどう変わるかも食事の内容に左右されます。また睡眠は、それにあてる時間が人生の3分の1を占める大切なものであり、睡眠中に身体のさまざまな部分のメンテナンスが行なわれます。
大切なことは、これら3つの要素について、それぞれがWellな状態をつくるためにどのような工夫をしているかです。そのためには、身体が発する声にきちんと耳を傾けなければなりません。そして、内なる声が求めるように行動する。これが、人が幸福になるために不可欠な「自己一致感」をもたらすのです。
行動の前提となるのは、内なる声をよく聞くとともに、その声の理由を探ることです。なぜ身体はその声をあげているのか。身体は何を求めているのか。そして、その声に対して自分ができることを考え、何かひとつでもいいから実践していく。
これを毎日続けていくことによって、身体は確実にWellな状態になっていきます。つまり、もっとも大切なことは「習慣づくり」なのです。
ここでいう身体を「組織」と言い換えれば、そのまま店や企業にもあてはまります。組織がWellな状態であることは、お客さまや従業員、取引先などかかわるすべての人々にとってもっとも大切なことであり、最重要の「透明資産」です。
そして、透明資産ができるかどうかは、組織の状態をよく知り、その声に耳を傾け、その状態をよりよくしていくための行動を続けていく。そういう習慣をつくれるかにかかっているのです。
ー勝田耕司
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