今年の2月以来、本コラムでは「Well-Being」の大切さについてお話ししてきました。Wellとは「よりよい状態」のことであり、心身がそういう状態にあること、そのために思考したり行動することがWell-Beingです。
それによって大きな幸福感を得られることは、性別や年齢、人種の違いを問わず不変です。まさしく世界共通、人類共通の「透明資産」がWell-Beingといえるでしょう。
人がそれぞれWellな状態にあり、幸福を感じながら生きることは人生を豊かにすると同時に、仕事の面でも大きな効果をもたらします。一人ひとりがWellであれば、その人々が集まる組織もまたWell-Beingとなり、ビジネスを大きく発展させることができます。
その成長は決して無理なものではなく自然なものです。従業員を無理やり働かせたり、過酷なノルマを課したり、ひどい場合は不正を強要することによって事業の拡大を図るケースがありますが、そうした成長は決して長続きしません。
事業領域を問わず、ビジネスとは「正しいこと」に取り組んだ結果として売上げや利益を拡大するのでなければ、それは成長とはいえないのです。
この「正しいこと」こそ、Well-Beingを実現することに他なりません。それに取り組んだ結果として、ビジネスは自然に、そして順調に成長を遂げることができます。さらに大切なことは、その成長が周囲によい影響をもたらすこと。さらにいえば、周囲を巻き込みながらビジネスを発展させられるということです。
これまでお話ししてきたように、Well-Beingであるためには自分自身がWellであることに加えて、他者との関係においてもWellであることが重要です。一人ひとりが「かけがえのない存在」であるように、かかわる人もまた「かけがえのない存在」なのです。
家族や大切な人との関係がそうであるように、お客様や、ともに働くスタッフとの間でWellな関係性を持つこと、幸福感を得ながら仕事をすることは、その人の人生を本当の意味で豊かにします。
そうした人が働く店や企業は必ず、お客様や取引先など、かかわる人々に幸福感をもたらします。長引くコロナウィルス禍で人々が厳しい生活を強いられているいま、利用することで幸福感を得られる店は特別な存在です。
また、先が見えない状況の中で多くの企業が業績低迷に苦しんでいますが、そこにかかわる人々が幸福感を得ることは、ビジネスを前進させる大きなエネルギーになるはずです。
その意味でコロナウィルス禍は、幸福感こそ人が生きていくうえで不可欠であること、それがもっとも大切な透明資産であることを浮き彫りにしたといえるでしょう。
ー勝田耕司
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